「どろどろの聖書」清涼院流水
聖書のダイジェスト版・・・人間関係の愛憎を中心とした入門書。
知らなかった事がいっぱい知れて良かった。
P9
イスラエルの国王となったダビデは、ある時、王宮の窓から見える泉で水浴びする美女に目を奪われました。バト・シェバという名の女性をダビデ王は呼び出し、彼女が部下の戦士ウリヤの妻であると知りながら関係を持ち、妊娠させてしまいます。(勇者で的確な判断力を持った建国の父・ダビデでさえこれだったら、他の人はどーなるの? キリスト教徒のモラルって、どーよ? そう言えば思い出したエピソードがある・・・知り合いのクリスチャンの女性・看護師は、不倫して妊娠し、正妻から旦那・ドクターを奪った、と聞いた。絶句・・・です)
P34
現代でもイスラエルとパレスチナ――ユダヤ人とアラブ人の争いがいっこうに絶えないルーツは、実は4000年前のアブラハムの正妻サラと女奴隷ハガルの確執に発端を見ることができるのです。
P130
ソロモン王ですが、国内だけでなく周辺諸国からも迎え入れた700人の王妃と300人の側室たちの影響で、異教の神々を崇拝するようになってしまいます。(賢王と名高いソロモンって、頭脳だけでなく絶倫だった、と? 権力を持つと、下半身に歯止めが効かなくなり、こうなるのだろうか?『700人の王妃と300人の側室』って、日本の大奥や中国の後宮クラス、あるいはそれ以上)
P171
現在、ユダヤ人の聖地となっているエルサレムの「嘆きの壁」(英語名ウェスタン・ウォール)は、このヘロデ神殿の西壁の一部になります。(エミルー・ハリスとリンダ・ロンシュタットのデュエット・アルバム=『ウェスタン・ウォール』って、そういう事だったの!)
P172
当時、「イエス」というのは非常にありふれた名前であったため、彼が幼少期から30歳頃まで過ごした場所であるナザレとセットにして、聖書の中では「ナザレのイエス」と呼ばれることもよくあります。(「イエス」ってありふれた名前だったのか!)
ローマ・カトリック教会=ローマン・キャソリック・チャーチ
東方正教会=イースタン・オーソドックス・チャーチ
P208
キャソリックは「普遍」を、オーソドックスは「正統」を、それぞれ意味する言葉です。
(中略)
カトリックでは教会内に磔刑像があり、プロテスタントの教会では十字架だけが掲げられているのが一般的です。
「キリスト教でたどるアメリカ史」森本あんり
「キリスト教と戦争」 石川明人
「アメリカと宗教」堀内一史
「宗教国家アメリカのふしぎな論理」森本あんり
【ネット上の紹介】
「新約は旧約の中に秘められ、旧約は新約の中で解き明かされる」聖書には、実在した歴史人物たちの愛僧劇が無数に描かれています。本書は、そんなどろどろの聖書の愛憎劇の中から、厳選したエピソードを51本集めた、いわばベスト・セレクションです。また、それらを通じて、聖書の全体像を把握できるつくりとなっています。
第1章 イスラエルの族長たちの愛憎劇(偉大な「民族の父」は妻を2度も売った
正妻と女奴隷の確執が現代の民族紛争のもとに ほか)
第2章 イスラエル建国以前の愛憎劇(民族を虐殺する王に息子を引き取らせた女
人間と家畜の初子がすべて殺される災厄 ほか)
第3章 ダビデとソロモン時代の愛憎劇(人気と実力を兼ね備えた部下を憎む王
殺したい相手から王は2度もいのちを救われる ほか)
第4章 王国分裂とバビロン捕囚時代の愛憎劇(偉大な王も恐れた神に選ばれた男の大罪
預言者を殺そうとして犬に食われた悪の王妃 ほか)
第5章 救世主イエスをめぐる愛憎劇(救世主誕生を恐れた王による大量幼児虐殺
洗礼者の生首を要求した魔性の踊り子 ほか)