「風雲児たち」(9)みなもと太郎
シリーズ9巻目を読んだ。
ロシア人の気質について
彼らには人種的な差別意識というものはあまりないのだ
あるのは強烈な利害関係意識である。
いったん利害関係が成立した相手に対してはロシア人は節操がなくなるのだが
利害関係をもたない相手には友人として文字通り損得ぬきに人なつっこく心を開いてくるのだった……
武士の主な自宅監禁について
蟄居=部屋から出られない
閉門=家から出られない
逼塞=ちょっとくらいは出られる
遠慮=もうちょっと軽い
freefan76号が届いた。分厚く108ページ特大号だ。
今回の目玉は『尾鷲・ナサ崎周辺の岩場』。
三重県熊野灘に面した岬エリアである。
表紙の写真は、日本のセパレートリアリティ「スカイフォール」1級である。
さらに、私が興味深く読んだのは、2つのインタビュー記事。
一人目は、池田功さん。黎明期のレジェンドのひとり。
菊地敏之さんは、次のように書いている。
池田功:80年代初頭、戸田直樹の後を継ぐ日本フリークライミング界のエース。イムジン河初登や衝立岩のフリー化など、当時の日本のレベルを驚くほど急激にアップさせたが、引退も驚くほど早かった。(「我々はいかに「石」にかじりついてきたか」P46より)
小川屋までのトークショーを再現、完全収録している。
非常に興味深い内容であった。
ちなみに、池田功氏は1959年生まれ、干支は猪か?
二人目は、篠崎喜信さんのインタビュー記事。
現JFA理事長で以前から有名人だが、60歳で8cを登ったと、さらに有名になった。
ちなみに、1956年生まれ、干支は猿か?
P64
D助:で、フロリダって、どんなルートなんですか?
篠崎:シンデレラ(ボーイ、13a/b)登って、パンワン(12a)につなげ、最後に唐獅子牡丹(13b)を続けて登る感じかな。
【参考リンク】
篠崎喜信(60)、ロデジャールの”Florida 8c”に成功
PS
2018年JFA年会費3000円を振り込んだ。
覚書として残しておく。2017.11.15
久しぶりに交野山に登ってきた。
いつも河内森から出発するが、今回は趣向を変えて、私市から歩き出した。
この道もけっこう良かった。(こっちの方がいいかも)
アプローチはしっかりしている…少し紅葉
いつもより山頂は賑わっていた
草ボウボウだったのに、キレイに刈り込まれていた
【資料】
9:40自宅出発(自転車で)~京阪枚方市駅~京阪私市駅(210円)
↓
(私市駅-月輪の滝-すいれん池-くろんど荘-八ッ橋-榜示-交野山-いきものふれあいセンター-源氏の滝-織物神社-JR津田駅…ハイキング3時間半)
↓
2:15JR津田駅前から京阪バスで京阪枚方市駅南(230円)
4:00自宅到着(途中でスーパーと図書館立ち寄り)
「鬼平犯科帳」(18)池波正太郎
次の6編が収録されている。
「俄か雨」
「馴馬の三蔵」
「蛇苺」
「一寸の虫」
「おれの弟」
「草雲雀」
P7-P8
「あっという間に、一年が……」
「そのことよ。若いころは夏の暑さなど歯牙にもかけなんだものだが、近頃はどうにもたまらぬ。また夏かとおもうと、うんざりとして、いまから気が萎えてしまうわ。年歳をとると寒さのほうが好きになるらしい」(夏より冬のほうがまし、と私も思う。更に言うと、一年中秋だったら嬉しい。春はダメ…花粉症だから)
【ネット上の紹介】
目黒不動まで見廻りに出た平蔵は、門前の桐屋で妻・久栄の好物である黒飴を求め、少々のんびり過ごす。帰り道、驟雨にたまらず、近くの百姓家に入ると、そこに、同心・細川峯太郎が女連れで飛び込んできた(「俄か雨」)。同心たちも一筋縄ではいかない。ほかに「馴馬の三蔵」「蛇苺」「一寸の虫」「おれの弟」「草雲雀」の全六篇を収録。
「さよなら、カルト村」高田かや
「カルト村で生まれました。」の続編。
「思春期から村を出るまで」が描かれる。
声高に告発するような作品ではない。
淡々と現実を描いている。
ニュートラルな著者の立ち位置に好感を感じる。
【参考図書】
「カルト村で生まれました。 」高田かや
【ネット上の紹介】
「お金の心配しないで、言われたことだけやってれば良いんだもん。楽だし私はずっと村にいるよ」 「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、過酷な労働や理不尽な掟に縛られた村の暮らしを受け入れて育ってきた著者は、なぜ自ら村を出たのか? 村で過ごした13歳から19歳までの青春期を描き、当時のマスコミを騒がせた村の実態に迫る、衝撃の実録コミックエッセイ。朝日新聞、毎日新聞、新潮45、TVブロス、アンアンなど、数多くの書評欄で取り上げられ、「その後の話が読みたい!」の声が殺到した話題作『カルト村で生まれました。』の続編。前作よりすごい、驚愕のエピソードが満載! 思春期をむかえた村の子の毎日(音楽、男女交際、一般の本を読むことは禁止。男子の部屋も女子が掃除!)。「個別ミーティング」や内容を大人にチェックされる「日記」など、思想をコントロールする村独自の新たなシステムがスタート。結婚相手は年の離れたおじさん!? 村の「調整結婚」とは? 高校へは行けず、朝6時から畑仕事や鶏の解体など厳しい労働の毎日。
「唄う都は雨のち晴れ」池上永一
「テンペスト」外伝にして「トロイメライ」続編。
あれっ?!と思ったかもしれないが、表紙の絵は五十嵐大介さんだ。
P177
「孫親雲上、私を見逃してくださるのですか?」
黒マンサージが話していた相手は孫寧温だった。
「あなたが私の正体を黙ってくれている代わりに、私はあなたのすることに目を瞑ります。ただそれだけのこと……」(孫寧温登場!これって用事もないのに歌舞伎に義経が登場するようなもの?)
P194
当時の琉球の風水師は生活環境学者に近い。しかし後世、ユタや易者が占いに風水を取り込み、開運を追求しすぎるあまり迷信的な振る舞いになっていくことになる。
【ネット上の紹介】
19世紀、『テンペスト』と同じ時代の琉球王朝。新米岡っ引きとして少しずつ大人への階段をのぼる武太。水不足の村の窮状、盗みを働いた貴婦人、謎の風水師の秘密……今回も6つの難事件が立ちはだかる!
「明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語」大島真寿美/大山淳子/彩瀬まる千早茜/松村栄子/吉川トリコ
架空の商店街を舞台にしたアンソロジー。
なぜ、本書を読もうと思ったかというと、「粗茶一服」のスピンオフが掲載されているから。
P185
「お嬢さん、どこで弓引いているんだい」
(中略)
「〈坂東巴流〉の道場です」
やっぱりな。方角的にそうなんじゃないかと思ったんだ。
「あ、ご存じですか!東京でも知りはらへんひとのほうが多いみたいですけど」
「まあ、そうかもしれない」
「あたし、内弟子です。って、まだ、なったばっかりやけど。今は道場から大学に通てるんです」
さっきまで怯えてたのが、急にうちとけてきて、ニコッと笑った。佐保ちゃんというらしい。
この「粗茶一般」シリーズは完結してしまったので、続編はない。淋しいかぎりだ。
でも、このようなスピンオフでいいから、今後も出て欲しい。
切に願う。
【ネット上の紹介】
この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。
「花のお江戸で粗茶一服」松村栄子
シリーズ3巻目にして完結編。
このシリーズは、ホントに面白い。
舞台は京都から東京に移動。
遊馬は、家出先の京都から東京に帰ってくる。
ユニークな脇役多数で、群像劇としても楽しめる。
登場人物1人1人に心が配られている。
感心した。
【おまけ】
このシリーズの初巻が出たのが、2004年。
私が読んだのが、遅れて2008年。
その後続編が出たのが、2010年12月。
そして、今回2017年11月の最終刊である。
非常にゆったりしたサイクルで出版された。
(こんなに遅筆・寡作で食べていけるのだろうか?)
もし、このシリーズを読んでいないなら、
最初から読んでみて。
面白さを保証するから。
PS
装丁・装画が柴田ゆうさん、松岡史恵さんのコンビでよかった!
前作・単行本の表紙はひどかった。
カバーを掛けて目に触れないようにしている。
【ネット上の紹介】
弓、剣、茶の「三道」を伝える“坂東巴流”の嫡男・友衛遊馬、二十歳。家出先の京都から帰還するも、家元でさえ副業しなければ家族を養えない貧乏流派ゆえ、働き口を探してこいと言われてしまう。建造が始まったスカイツリーの警備員に収まるが、周囲からは「あそこの跡継ぎはダメだ」と後ろ指を指され、ガールフレンドとの仲も“行き止まり”。冴えない日々の中、曲者ぞろいの茶人武人にやりこめられながら、遊馬は自分の進むべき道をぐるぐると探しつづける。明日が見えないあなたに贈る笑えて泣けて元気になれる物語。
昨日、ポンポン山に登ってきた。
記録として残しておく。
山頂
少し紅葉
神峰山寺の門は改装中
登山口、柿が実っている
「風雲児たち」(8)みなもと太郎
シリーズ8作目。
アイヌとはアイヌ語で「人」という意味である。
シャモとは「おとなりさん」という意味である。
松前藩と地引き網漁法について
鰯の大群がおもしろいようにこの新発明の網にかかるのだ。
鰯はいったん大坂に届きそこから日本中に売られてゆく
食用ではない干した鰯は稲作の最高の肥料になるのだ。
2年後、2019年10月26日から登れなくなる、と。
先住民族は、以前から登らないように求めていた、という。
住んでいる方の信仰を無視してはいけない、と思う。
「よちよち文藝部」久世番子
「暴れん坊本屋さん」で有名な、久世番子さんの文芸コミック・エッセイ。
有名どころの文豪たちを、マンガで紹介。
【閑話休題/蛇足】
当時の文豪って、社会に適合していない。
(ほとんど精神に失調を来している?)
現在の作家のほうが、普通人に近い。
ひるがえって、クライミング界に思いを寄せた。
黎明期のクライマーは、一般社会からはみ出している方が多かった。
見るからに、普通の人じゃないな、と。
ただ者じゃないな、と。
現在のジム・クライマーは、限りなく一般人、普通である。
薄味になったってこと?
【ネット上の紹介】
読んでなくても大丈夫!名前しか知らない超有名文豪と名作を知ったかぶれる文藝コミックエッセイ。太宰、漱石、谷崎など文豪と名作の魅力を、よちよちした取材と緻密な妄想で語り倒します。文学を学びながらも大爆笑。
フィーバー桜桃忌―太宰治
坊っちゃん炎上―夏目漱石
ぐるりとまわって中也の目―中原中也
名作文学ゲームで遊ぼう!
小僧の神様の神様―志賀直哉
桃から生まれた?
…的な、余りに…的な―芥川龍之介
裏切りの敦―中島敦
たけくらべboys’ side―樋口一葉
散歩の達人―梶井基次郎
愛か出世か学問か―森鴎外
イーハトーヴ発トキーオ行き―宮沢賢治
レターフロム文豪
先生のパンツ―三島由紀夫
美しい日本の*―川端康成
コピーライターたくぼく―石川啄木
やまいだれ細雪―谷崎潤一郎
クチキクキクチカン―菊池寛