MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ハードロマンチッカー』 50点

2011-12-11 19:02:34 | goo映画レビュー

ハードロマンチッカー

2011年/日本

ネタバレ

‘グダグダ’に関する考察

総合★★☆☆☆ 50

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 ヤンキーに限らず、人生とは本人の思い通りにならないものであるが、それでもヤンキーが映画の主人公に選ばれる理由は、人生を翻弄する運命の、その過剰さが嫌悪を突き抜けて笑いをもたらすからであろう。
 本作の主人公で、高校を中退してしまったフリーターのグーは何も考えずに「相手を痛めつけるには家族や恋人を狙うのがええ」と後輩の辰にうそぶき、それを真面目に受け取った辰はマサルと一緒に朝鮮高校のキムチョンギの家を襲撃して、彼の祖母を撲殺して辰は逮捕されてしまう。
 絡んできた男を痛めつけたら、その男の兄はボクシング部のパクヨンオだったのであるが、グーは気まぐれで同級生の金子の名を騙ったために、グーの身代わりに報復された金子からも狙われることになる。
 グーは喫茶店で偶然に出会って一目惚れしてしまった中村みえ子とプラトニックな付き合いをしていたが、みえ子が売春をしていることを知ると、損をしたとばかりに簡単にレイプしてしまう。
 場当たり的なグーの行動は共感できないとしても可笑しみは誘うのであるが、演出上の致命的な欠陥を見逃すわけにはいかない。ラストで2人の警官に付き添われて護送車に乗せられる辰をグーが見送っていた時に、突然キムチョンギが現れて辰を刺殺する。直接には描かれていなかったが、音から判断するならば、おそらくグーは警官から拳銃を奪いキムチョンギと2人の警官を射殺したと思うが、何故かグーは逮捕されないのである。殺人を犯した辰は逮捕されており、下関署の藤田は絶えずグーを監視しているのであるから、下関署が機能していないということではない以上、ここの演出は甘いと思う。この場面に限らず、郷野組の組員である庄司が入院中に妻に刺殺される原因もよく分らないために、グーが庄司に託された指輪が、『指輪をはめたい』(岩田ユキ監督 2011年)の指輪ほどの‘重み’を持たない。
 ギャグの描写がバイオレンスの描写と双璧するほどには上手くなく、その振幅の緩さがタイトルのような‘ハード’な‘ロマンチッカー’振りを感じさせず、ただ後味の悪さだけを残す結果になっている。‘グダグダ’の人生と演出が‘グダグダ’であることは似て非なるものである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大きすぎる「南極大陸」

2011-12-11 00:06:31 | Weblog

やはりキムタクは凄い?(GALAC/ぎゃらく) - goo ニュース
『家政婦のミタ』の人気ぶりに仰天(R25) - goo ニュース
「家政婦のミタ」の視聴率がキムタクをあっさり抜き去ったわけ(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

 松嶋菜々子が、冷徹な家政婦を演じて話題となっているドラマ「家政婦のミタ」は

11月30日放送の回の視聴率がついに29.6%までに至った。他方、TBSが20億円を

投じて制作されているらしい「南極大陸」の12月4日放送の回の視聴率は15.0%に

留まっている。「南極大陸」が視聴率の上で失敗している原因は、テレビドラマとしては

“南極大陸”という舞台は余りにも大きすぎて、映画館の大きなスクリーンでは映えても

テレビでは“豪華さ”が伝わらないからだと思う。TBSが何故選りに選って「南極大陸」を

チョイスしたのか理解に苦しむのであるが、「JINー仁ー」の成功に浮かれ過ぎたのだろう。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする