大鹿村騒動記
2011年/日本
非日常と化す日常
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
歌舞伎という名称の由来である動詞の「傾く(かぶく)」には「自由奔放に振る舞う。勝手な振る舞いをする」という意味や「異様な身なりをする」などの意味がある。江戸時代後期頃から始まったとされる大鹿歌舞伎はいわゆる素人歌舞伎であり、主人公の風祭善を初めとする村人たちは歌舞伎を通して日常を脱して‘非日常’を楽しむのであるが、同性愛者である大地雷音や、記憶障害を患っている風祭貴子の出現により日常そのものが歌舞伎のような‘非日常’と化してしまう細かなスキットが秀逸だと思う。
ラストシーンに関して、『ノルウェイの森』(トラン・アン・ユン監督 2010年)の‘女性版’が『恋の罪』(園子温監督 2011年)であるならば、さしずめ『大鹿村騒動記』は‘高齢者版’であろう。
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「内柴一家の秘密の扉」という内柴正人の12月2日のブログに「近況」と題されて以下の
ことが書かれている。「旅が終わって、先輩にここ数日のマスコミのことを聞きました。学長
の記者会見。いろんな『え~~。』がたくさんありますけど/まあ、いいです。」ツッコミどころが
多々あるコメントである。準強姦の疑いで逮捕された内柴は「納得いかない。合意だった」と
否認しているらしい。妻と息子もいる身でありながら合意があれば浮気は構わないという
ことは、特異なものではあってもそれぞれの家庭のルールとして百歩譲るとしても、大学の
教師と教え子という立場の上に、柔道金メダリストである内柴の“要求”を断る手立てが、
酒に酔って寝込んでしまった未成年の女子柔道部員に果たしてあっただろうか