愛の勝利を ムッソリーニを愛した女
2009年/イタリア
劇映画vs.ニュース映画
総合
100点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
作品の冒頭で描かれる政治集会で「神に5分間あたえる、5分後わたしが生きていれば、神は存在しない」というパフォーマンスを演じて5分後に仲間たちにボコボコにされるベニート・ムッソリーニをイーダ・ダルセルが愛してしまった理由は、2人の最初の出逢いと同様に、冗談を真面目に演じる‘フィクション性’だと思う。献身的に尽くしてきたイーダに対して間もなくしてムッソリーニが取るようになる冷たい態度は、2人が住んでいたアパートの窓越しから広場に向かってムッソリーニが幻視した群衆から始まったようで、やがてムッソリーニは、スローガンと共に映し出される実際のニュース映画の中に現れる。例えば「国民に向かって」というスローガンと共に映し出される映像はたくさんの母親が一斉に子供に授乳させている様子であり、それは国民に子作りを推奨するメッセージとして発せられる。
ムッソリーニの‘フィクション性’を愛していたイーダは、『キッド』というチャーリー・チャップリンが1921年に作った‘フィクション’を励みに、このような‘ノンフィクション性’に対して徹底的な抵抗を試みるのであるが、次々と作られるニュースリールに為す術が無い。
『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』は「ニュース映画」をメインに据えたもう一つの『ニュー・シネマ・パラダイス』(ジュゼッペ・トルナトーレ監督 1989年)なのであるが、その結末は余りにも悲しい。
新薬開発「日本は無力」…国の推進役、米大学へ(読売新聞) - goo ニュース
内閣官房医療イノベーション推進室とは今年1月に当時の仙谷由人官房長官の肝いり
で、省庁の壁を取り払い、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化し、日本発の
画期的な医薬品作りを目指すための司令塔として機能させるために設けられたもの
であるが、推進室長で東京大学医科学研究所教授の中村祐輔は室長を辞任するらしい。
中村教授は「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果た
せず、無力を感じた。日本で研究した新薬を日本の人たちに最初に届けるのが夢だった
のだが。せめて米国で新薬を実現したい」と話しているのであるが、“国の制度や仕組みを
変えようと頑張る”べきなのは国自身であって、最適の環境を整えてから推進室を設立
しなければ、研究者は余計な雑務に追われて肝心の“画期的な医薬品作り”など出来る
わけがない。