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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『パラノーマン ブライス・ホローの謎』

2013-04-06 22:57:12 | goo映画レビュー

原題:『ParaNorman』
監督:サム・フェル/クリス・バトラー
脚本:クリス・バトラー
撮影:トリスタン・オリヴァー
出演:コディ・スミット=マクフィー/タッカー・アルブリジー/ジョデル・マイカ・フェルランド
2012年/アメリカ

怒れる魂の鎮め方 

 ブライス・ホローという町に住むノーマン・バブコックという少年はテレビでホラー映画を観ることが好きなのであるが、ただフィクションとしての悪霊の話が好きなのではなく、自分の部屋に住みついている亡くなった自分の祖母のみならず、学校に行くまでに様々な死霊と会話をしているために学校では「Freak(異常者)」と呼ばれている。タイトルの「パラノーマン」の‘パラ’は「異常」や「分裂」を示すのであるが、その特異な才能にいち早く気づいていたのが叔父のプレンダーガストだった。ノーマン同様に、一族の変人として扱われていた叔父は300年前に封印された魔女のアガサ・プレンダーガストの魂の怒りを鎮める役目を担っており、街が滅びることを防ぐために叔父はノーマンに自分の役割を継がせようとしていたが、その矢先に発作を起こして帰らぬ人となる。それでも叔父は亡霊となってノーマンの前に現れ、鎮魂のやり方を教えるのであるが、目覚めかけの魔女には既製のおとぎ話でごまかせても、完全に目覚めてしまった魔女には全く本読みの効果がなかった。そこでノーマンが取った行動は既製のおとぎ話を語るのではなく、アガサ(=アギー)の物語を語ることで、彼女の気持ちを理解していることを示すことだった。ノーマンが語るアギーと彼女の母親の物語は、誤解が解けて自分が理解されたというアギーの心の安らぎを生み出すのみならず、さんざん魔女を売りに稼いでおきながら、ただ魔女であるという先入観だけで、魔女にならざるを得なかった過程も知らずにアギーを嫌う街の住民たちに対しても説得力を持つものになるのである。


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美術ジャーナリストのセンス

2013-04-06 19:27:40 | 美術

「都美術館閉館」とジョーク=抗議受け美術誌がおわび(時事通信) - goo ニュース

 4月6日のスポーツニッポンによるならば、このスベり倒した“東京都現代美術館ジョーク”

に関して、張本人である美術ジャーナリストの名古屋覚は「“本誌発行日には”(4月1日の

こと)とヒントまで書いたのに、世界で楽しまれているエープリルフールのジョークが分から

ない方々が美術館や文化行政や報道に携わっていたり・・・(中略)・・・実際の記事も読まず

にツイッター等の情報をうのみにする方々もいるらしいこと、それ故そうした方々をお騒がせ

してしまったことは、大変遺憾」との文章を美術誌「ギャラリー」の公式ホームページに載せ、

さらに関係者の怒りを買っているようである。ジャーナリストが強気であることはかまわない

としても、他人にとやかく言う前に、明白にクオリティが低いジョークを恥ずかしげもなく披露

してしまうことは“美術”を専門としているジャーナリストとしては致命的ではないだろうか


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