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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ガラスの花と壊す世界』

2016-02-07 00:15:08 | goo映画レビュー

原題:『ガラスの花と壊す世界』
監督:石浜真史
脚本:志茂文彦
撮影:高橋賢司
出演:花守ゆみり/種田梨沙/佐倉綾音/茅野愛衣/片貝薫/高橋伸也/中村綾
2016年/日本

アニメーション版「ATG作品」について

 冒頭のシーンは2064年で6歳くらいのリモーネが映り、すぐに2074年になって彼女の祖父のダニエル・ド―ソン博士がヴァイオレット・オペレーティングシステム「ViОS(ヴァイオス)」を開発する。そのコンピューターソフトウェアの中には「知識の箱」があり、全人類の記憶のバックアップデータが貯蔵されており、主人公のデュアルとドロシーはそこでアンチウイルスプログラムとしてウイルスに汚染されてしまったデータを消去する作業をしており、実際にデュアルは2015年の日本でピアノコンクールで最優秀賞を取り留学が決まったスミレの「データ」を消去してしまう。
 2100年になってダニエルの娘のダイアナが環境管理プログラム「マザー(mother.exe)」を開発したのだが、環境管理という使命を持った「マザー」はやがて人類そのものを粛清し始める。危機感を持った人類は「マザー」を破壊するが、その前に「マザー」は姿を変えてリモ(マザー・リモート)としてデュアルとドロシーの前に現われるのである。
 当初のリモの目的は母親のダイアナの意志を引き継ぐ形で「ViОS」の破壊そのものにあったはずだが、デュアルとドロシーと一緒に想い出を共有している内に情が移ってしまい、さらにデュアルがリモの祖母のスミレと親友だったという「事実」もピアノのメロディーで知り、結果的に2人に自分の正体を明かし母親を裏切ることになってしまうのであるが、そのような想いを抱く娘を母親は許す。
 本作にどれほどの制作費がかけられているのか詳らかではないが、メインキャラクターが3人だけで「一つの舞台」という設定で実存を問うというテーマがかつてのATG作品を彷彿とさせて興味深い。


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