三菱一号館美術館で催されていた『プラド美術館展 - スペイン宮廷 美への情熱』でもう一つ
気になったことは、「18世紀ヨーロッパの宮廷の雅(Courtly Elegance in Eighteenth Century
Europe)」というコーナーから急に画風が変わったことで、それまでのロココ調からアントン・
ラファエル・メングス(Anton Raphael Mengs)風、つまり新古典主義へという芸術思潮の変化に
伴うものではあるが、展示してあった絵画が下絵(ポツエット bozzetto)が多かったからかも
しれないが、良し悪しは別としても急に展示作品が地味に見えだした。個々の作品では具体的な
違いがよく分からないが、このような流れでまとめて作品を見ると変化がよく分かる。
上の作品はフランシスコ・バイェウ・イ・スビアス(Francisco Bayeu y Subias)による
『オリュンポス、巨人族の戦い(Olympus. The Battle of the Giants)』(1764年)であるが、
この作品の前後辺りから美術様式が変化したらしい。