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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ザ・ヤクザ』

2016-02-27 00:04:41 | goo映画レビュー

原題:『The Yakuza』
監督:シドニー・ポラック
脚本:ポール・シュレイダー/ロバート・タウン
撮影:岡崎宏三/デューク・キャラハン
出演:ロバート・ミッチャム/高倉健/ブライアン・キース/岡田英次/岸恵子
1974年/アメリカ

ヤクザではない2人が何故か小指を詰める「悲喜劇」 について

 「学ぶ」ことがそのまま「身に着く」訳ではないということがよく分かる作品として本作は格好の素材となるだろう。作品の冒頭で「”ヤクザ”は八・九・三の数字に由来する。足して20。賭博では負けの数字だ。無頼の徒が自ら卑下してこう称した。」というヤクザの歴史が語られ、主人公のハリー・キルマーと共に日本を訪れたダスティーが公衆浴場で「日本とアメリカでは剣の使い方が違う。アメリカ人は押すようにして切るが日本人は引くようにして切る、持つところをへそに向けて。アメリカののこぎりは押す時に切れるが、日本ののこぎりは引く時に切れる。」と細かく説明しているにも関わらず、クライマックスにおいて高倉健が演じる田中健は刀を引くようにして斬ることはなく、まるでサーベルを扱うように刺して相手を殺しているからである。
 日本のエレベーターの壁にカレンダーが貼ってあることにも違和感を感じるが、何故ありえない場所にわざわざカレンダーを貼ったのかと考えることも大切なようにも思う。それはおそらく日本人の時間に対する、アメリカ人にとっては「異常」な几帳面さを感じた上での演出だったのではないだろうか。


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