三菱一号館美術館で催されていた『プラド美術館展 -スペイン宮廷 美への情熱』で最も目に
つくのはやはりフランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco José de Goya y Lucientes)のコーナーだった。
画質が悪いのだが、左の作品は『傷を負った石工(The injured Mason)』(1786年 - 87年)で右の
作品は『酔った石工(The drunken Mason)』(1786年)で、268 x 110 cm と 35 x 15 cm とカンヴァス
の大きさは『傷を負った石工』の方が断然大きいのであるが、構図はほとんど同じである。それならば
何が違うのかといえば、石工を担いでいる2人の男の顔の表情であり、この点を勘案するならば、
ゴヤは大きなカンヴァスにおいては真面目な作風なのだが、カンヴァスが小さいと「ふざける」傾向が
見られるのである。