MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

優秀な作詞家の不在について

2016-02-13 00:57:12 | 美術

 東京都現代美術館で催されている「TОKYО 見えない都市を見せる」を観に行った理由は

YMО(イエローマジックオーケストラ)に関する資料が展示されていることを知ったからである。

YMОにはいまだにアンビヴァレントな気分を持ってしまう。1970年に結成されたドイツの

バンドのクラフトワーク(Kraftwerk)から多大な影響を受け、その無機質なポップミュージック

に「身体性」を与えて発展させていった功績は高く評価されるべきであろうが、上の写真や

あるいは「増殖」のアートワークなど見ていると気持ち悪さが拭えないのである。要するに

彼らの「オタク的」な部分に嫌悪感を感じてしまうのである。どうしてそうなってしまうのか

考えてみると、例えば細野晴臣が在籍していた「はっぴいえんど」というバンドに松本隆という

優秀な作詞家がいたように、YMОには致命的ともいえる作詞家の不在が分かりやすいコンセプト

を作れず、「身体性」を感じるのに、そこには「実存」も「政治性」も「愛」も感じられない

「ゾンビ感」が不気味なのである。それが「TОKYО」だと言われればそれまでなのだが。


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