2016年2月13日の毎日新聞朝刊を読んでいて驚いた。3ページ目に石原慎太郎の新刊の
『天才』(幻冬舎)の広告が載っていた。書き下ろしの「迫真のノンフィクション・ノベル」らしい。
「ノンフィクション・ノベル(=つまりノンフィクション・フィクション)」という意味がよく
分からないのではあるが、25万部突破とかなり売れているらしい。ここで気になったことは
「衝撃の霊言」という惹起である。ここまでなら別にどうでもいいのであるが、驚いたのは
次のページをめくった時である。
幸福の科学グループ創始者・総裁の大川隆法の『台湾新総統 蔡英文の未来戦略』(幸福の
科学出版)という新刊の広告なのであるが、ここでも「公開霊言」という惹起が使われている
のである。元国会議員で古参の芥川賞作家と新興宗教の総裁が他人の名前を利用するという
同じ商法になっているところが興味深いのであるが、読んで分析しようと思うほど興味はないので、
文芸評論家の誰かが「2大巨頭」が選択した「霊言」という手法を分析してくれないだろうか
ちなみに書店で実物の『天才』をパラパラめくってみたら、200ページくらいの本作は
「ギュ」っとしたら100ページくらいになる分量だった。