青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

河合奈保子はいい。

2008年03月11日 00時09分15秒 | 日常
(画像:何となく買い進めていたら…)

去年の秋にベスト盤を手に入れてから、何となく河合奈保子のアルバムを買い進めてるんですよねえ。ひと月1枚ペースで買ってたんで、もう5枚になった。

当たり前ですがもう全部この人のアルバムは絶盤になってしまってますから、手に入るのは当時の音源をCD-Rに焼いて再販をかけてるだけと言う粗悪な(笑)ものです。ライナーノーツがカラーコピーと言うのも泣きたくなる。つか、中国だったら100円で買えそう。当然音質も大した事ないんですけどね。
ただ、聞いてていいんですよ。河合奈保子。もうハマったと言ってもいいでしょうね(笑)。この歳こんな時期にハマるとは思わなんだ。アイドル現役バリバリの頃に大して聞かなかったのを一気に取り戻してる感じ。

アルバムはベスト盤と、古い順にアイドル時代の「Sky Park」、初の海外レコーディングの「DAYDREAM COAST」、海外レコリターンズ「9 1/2」、完全自作楽曲「SCARLET」とバラバラですが、とりあえずとっかえひっかえ聞いてます。アイドル時代の「とりあえず誠実に一生懸命歌ってまぁ~す!」みたいないじらしい歌唱もいいけど、たぶんご本人がアイドルとして辛くなって来た頃からの歌い方は円熟味が増していてパワフルだし、当てがわれた楽曲も本格派の女性シンガーのそれで作品として凄く充実してるんだよね。この辺りは河合奈保子、もっと評価されていいと思います(笑)。聞いた中では「9 1/2」が今んとこ一番いいかなあ。それも「SAY IT'S OVER」「THERE'S NOT MANY LEFT」あたりが最強。

ピアノも弾けて作曲も出来るし、上手く行けば今頃は曲を提供しながら自作曲も歌う悠々自適な生活を送れたはず。結婚引退はもったいないけど、まあご本人に欲があまりなかったんでしょうね。何がいけなかったのかは神のみぞ知るところだ。
いや、歌はかなり上手いですよ。声量豊かだし、特にビブラートが伸びるんだよね。それも異様に。ただ、反面いわゆるとっても基本に忠実な「アクがないボーカル」ですんで、うがって聞けばそこいらへんがちょっと教科書的で耳残り悪い。と言うか印象に残らないのかもしれません。

そんなことをツラツラと思いながら久々にようつべ漁りをしてたら河合奈保子と中森明菜が競演している映像を見付けた。映像的にNHKの「レッツゴーヤング」だろう。ピアノ伴奏を務める河合奈保子に中森明菜、共に歌った曲は奇しくも来生たかお&えつこブラザーズの「疑問符」と「セカンド・ラブ」ですが、誠実に折り目正しくかっちりと歌う河合奈保子に比べて、中森明菜の憂いを帯びた雰囲気たっぷりの歌唱は…

このステージを見て、こと「芸能」と言う意味では文句なしの明菜圧勝。上手く歌うだけが歌手じゃないのは分かってはいたんだけどね…人間として付き合うなら折り目正しい河合奈保子なんだろうが。
まーしかし、中森明菜のスローバラードにおける「半拍遅れ」のコブシ回し?は凄く演歌的な叙情の余韻がありますわな。小節の中を全然音符に合わせずに歌ってケツだけきっちり合わす、みたいな。つか、それってなんて前川清?(まああの人は一拍くらい平気でワザと外しますけど)。

たぶん河合奈保子には、この辺りの小ざかしいテクと言うか魅せ方?が出来なかったんじゃないかと。歌の遊び心と言いましょうか…歌手と言うのは基本的に歌を与えられて歌う人の事だけど、中森明菜は与えられた歌と言う規定演技の中で自由演技が出来ていて、河合奈保子にはその辺りが足りなかったのではなかろーか。それが超A級トップアイドルに上り詰めた中森明菜と、正統派のポップシンガーとして育ってはいながら人知れずセールスを減らして行った河合奈保子の天下分け目ではなかろーかと。

…せめて先輩の岩崎宏美のようにいい意味で勝ち気で離婚しようが歌続ける、みたいな芸能ガッツ(何だそれ)があればねえ。
それでも、河合奈保子は文句なくいいですけどね。
今日もヘビロテ街道驀進中、なのです。

…昨日今日と誰も付いて来れない話題を長々とスイマセン(笑)。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする