(魅力あふれるスイッチバック@二本木駅)
さて、戸倉駅で団臨を見送った我々。ここから先は大きな停車時間もない事から、上信越道を使って大きく先回り。信越国境を越えて新潟県側の二本木駅までやって来ました。妙高山と黒姫山の裾野がせめぎ合う斜面をよじ登るように敷設された信越山線、この駅はその勾配を避けるためにスイッチバックになっておるのですが、駅を出て長野へ向かう線路の勾配の角度にその道のりの険しさが伺えます。
信越国境を抜け、港都直江津に向け下って行く団臨あさま号が、ホーム端に集まった撮り鉄たちのシャッター音のシャワーを浴びて二本木駅にゆっくりと進入して来ました。急勾配を下りながら行き止まりのホームに進入するためか、進入速度は25km/hの制限がかかっているそうな。勾配で編成に動きを付けて奥で1枚、そして手前で引き付けて1枚。まずまず思い通りの2カット。
二本木駅に憩うN102編成。ちなみに往時の特急あさま号が二本木駅を停車駅にした事は一度もないため、これはこれでイベントらしい珍シーンなのかもしれませぬ。このホームの向こうには、以前は貨物扱いの専用線とヤードが広がっており、EF62なんかが日本曹達の化成品タキを持って発着していました。うーん、貨物好きとしては実に見たかったシーンだなあ。スイッチバックの貨物列車発着とか興奮するだろそれw
進入をパパッとやった後は駅裏に移動。今度は定期列車の妙高との交換シーン…だったのだが、駅裏の撮影地は雪山の上。昼にかけてこの季節にしては暖かかった上越地方、緩んだ雪に足を取られズボズボと膝下まで埋まりながら撮影場所に辿り着くのに物凄い体力の消耗が発生(笑)。引き上げ線からホームに進入するシーンを撮るのが精一杯…直前に慌てて動いて前もってスタンバっている撮影者の邪魔をする訳にもいかないのでねえw
ホームに仲良く並んだあさま色のN102&N103。N102の顔に信号柱がぶっ刺さっているのもご愛嬌、正直ここにたどり着くまでにヘタヘタになってしまって個人的には構図どころの騒ぎではなかった。友人氏の無駄のない身のこなしを見るにつけ、雪の上の動き方に関してはやはり慣れがモノを言う事を実感(笑)。この後しばらく口数が少なくなったのは、決して機嫌が悪かった訳ではなくただ口が利ける状態じゃなかっただけですw
並びを撮ったら即座に二本木駅からやや離れた田園地帯に移動。二本木の駅は、直江津へ向けての列車はホームを出発した後引き上げ線で折り返してから本線に復帰するので、通常駅の出発と比べると若干の時間を要する事を考えてのチョイスなのでしょう。さすがに山線のプロである友人氏のミッション遂行には一抹の迷いもけれんもない(笑)。ここらへんの撮影地選定は本当に経験値がなせる技と言うか、自分だけで来てたらおそらく二本木では撮れて2カットくらいじゃなかったかな。
線路際の雪山によじ登りカメラを構えると、二本木の駅の方向からN102のタイフォンの音が聞こえて来た。
柔らかな春を思わせる日差しの中、白銀に優美なシュプールを描いて、特急あさまが直江津を目指します。