(加積郷のひととき@中加積駅)
先ほど片貝川で撮影した60形を追い越したようなので、どっかでもう一発やれるかな、と思案しつつ中加積の駅に来てみました。以前にも撮影しに来たことはあるんですが、滑川から上市の間は線路が南北に走っていて、午後の上り列車の光線が良好な区間です。中加積は、地鉄の加積四兄弟(?)の中では一番富山側にある駅。「加積」というのは、今の上市町から滑川市・魚津市周辺までの範囲を指した旧くからの地名。主に富山平野の東側の穀倉地帯で形成されていて、石高が増加して積み上がるような肥沃な大地を連想させてくれます。すっかり晴れ渡った午後の加積郷。ホームから眺める集落の向こうに、毛勝三山の前山が見えます。
やおら駅の踏切の鐘が鳴り、電鉄富山行きの60形普通142レが大きく車体を傾けて進入して来ました。午後遅めの順光に、美しく浮かび上がる雷鳥カラー。アンチクライマの銀の飾り帯もピカピカだ。中加積の駅はホームに結構なカーブが付いており、正直カメラを握っている側からすると非常に水平が取りづらい難儀な駅。架線柱の傾きを鵜呑みにしていると、水平が狂ってしまう罠が仕掛けられていたりするのでご注意を。中加積ではホームに乗客1名下車1名。出発信号機が青に変わり、発車して行くまでを順送りで。
電鉄富山行きが去った中加積の駅を構内踏切から。下り線側のレールのカーブっぷりがうねうねとしているのが特徴か。上市方は駅の先で上市川の鉄橋を渡るので、線路は土手に向かっての緩やかな登り坂。構内踏切に接した駅舎はコンクリートモルタル造りで、地鉄の駅では珍しくボックス型の機能重視な作り。無味乾燥な見た目は何となく交番を思い出させますが、屋根は豪雪地域の駅らしく、微妙に片流れになっています。
重々しい仕切りの扉が付いた駅の正面口。最近になってペンキで塗り替えられ、サッシも交換になっているようです。2月の終わりでしたが、大きな鉄のスコップが置いてあるのがいかにも雪国らしいですね。駅前通路確保のための「愛と汗のひとかき運動」ですか。要は無人駅なんで、利用者側が降雪時の通路は確保せいよ!という事なんでしょう(笑)。人の為を思って事を成せば、人生の徳のポイントも加積されて行きそうな・・・そんな中加積の駅です。