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(桜の里よ西大滝@西大滝ダム俯瞰)
飯山線沿線随一の桜の名所・西大滝ダム。下流の東京電力信濃川発電所への導水のために作られた発電用ダムですが、ダムの回りには多くの桜が植えられています。お次の撮影地はこの西大滝の桜と飯山線を俯瞰する通称「西大滝の旧道俯瞰」なのですが…意気揚々と俯瞰場所に上がって桜の具合を見下ろしたところ、どうやらピーク過ぎちゃってますね。夜中にロケハンしたときは、結構咲いているかと思ったんだけねえ。
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ちょっと失意の西大滝俯瞰。こっから見る西大滝の駅の一本桜もとっくのとうにピークアウトして、僅かに枝に花を残すのみ。テンション上がらないまま長野行きの162D。飯山色の123Dとは隣の桑名川で交換します。こちらは緑のキハ110基本色の単行ですが、出来る事なら単行に飯山色が入ってバッチリ満開の桜と合わせたかった。脳内でのシュミレーションは完璧でも、自然相手の現実はそうは上手く行かないものである。
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旧道俯瞰はスノーシェッドを挟んで長野側と十日町側、どちらからでも撮影が出来ます。スノーシェッドの両サイドの俯瞰の間に西大滝の停車が挟まるので、50m程度のスノーシェッドの中をダッシュすれは駅を挟んで前後で二発イケるのがいいところ。まずは長野側の俯瞰。まだまだ雪をかぶった山並みは飯山と上越の間にある開田峠方面だろうか。ブナの芽吹きの中、野々海川の鉄橋を渡って飯山色がやって来ました。
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十日町側からの俯瞰。緩やかに集落の先をカーブしながら、飯山色が走り去って行く。こっから桜満開の西大滝の集落を俯瞰して撮りたかった。ただ、桜が物足りないのは仕方がないとして、シャッターを切りながらなんか違和感を感じていたんだよね。ここの俯瞰からは7年前のGWに撮った事があって、その時がちょうど桜の満開の時期に当たった事もあってねえ。実に見事な眺めだったのが忘れられなかったんだけど…
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これがその7年前のGWの一枚。さすがに全く同じアングルで撮っている訳ではないんだけど、違和感の理由がお分かりいただけるかと思う。7年前と比べて家の数が明らかに違うのだ。撮影した当時は、北信らしい鮮やかなトタン屋根の並ぶ古民家が連なる集落だった西大滝。7年経って比べてみると、もはやどうしようもない過疎化という現実を痛感するしかない。家がなくなった土地は荒れ、棄てられた田畑は色を失ってしまった。
桜の木だけは変わらず、今年も咲いたであろう西大滝の集落。
美しいだけではない、桜だけが見ている豪雪地帯の集落の厳しい現実がそこにありました。
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