青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

老駅舎 指折り数え 最後の日。

2021年08月19日 17時00分00秒 | 上信電鉄

(夜の帳降りて@上州新屋駅)

朝から沿線を廻って来た中で、ちょっと印象深い雰囲気だったのが上州新屋駅。横板が丁寧に渡された駅の佇まいが美しく、夜の帳が降りた後に改めて撮影しに来てみました。駅は甘楽の街を横切る県道沿いにあり、そこそこの車通りがありますが、この時間に駅を使う人は疎らで・・昭和末期から平成初期にかけてはこの辺りも高崎市のベッドタウンだったと思われますが、甘楽町も平成10年頃を境にジワジワと人口が減り続けています。人口減と反比例するように世帯数が伸び続けているのは、独居者と高齢者の単身世帯が増加しているからなんでしょうね。

上州新屋駅は単式ホームの一面一線。この木造駅舎は戦前から建っているような雰囲気もありますが、建てられたのは昭和25年頃なのだそうで、思ったよりは新しいんですね。しかしながら、上州新屋駅には駅周辺の再開発(甘楽工業団地の造成)の一環としてリニューアルが計画されていて、これから現ホームの北側に新ホームと新駅舎を建設し、駅前のロータリーの整備などを行うそうです。駅の北側に建っていた古家は撤去され、トラロープで囲われてきれいに整地されていましたので、ここに新しい駅舎とホームが作られるのでしょう。工業団地の中には明太子メーカー「かねふく」のテーマパークである「めんたいパーク群馬」が2022年4月に開業を予定しており、観光客の入れ込みを狙った整備事業みたいですね。費用は県と甘楽町の折半で行われるので、上信電鉄としては願ったり叶ったりの話なんでしょうが、そうなるとこの駅の現在の姿を眺められるのも、あと何ヶ月もないのかもしれません。

やって来た緑色ツートンの700形高崎行き。この時間の上り電車から降りて来る客はさすがにいなかった。テールランプの余韻を残しながら、雰囲気ある木造駅舎の駅を出て行く電車。電車が行ってしまうと、煌々とした待合室の灯りだけが残りました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 茜空 染まる妙義の 山襞や。  | トップ | 追い掛けて まだ追い足りぬ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

上信電鉄」カテゴリの最新記事