(上信各駅・恒例行事@吉井駅)
上信電鉄。地方のローカル私鉄らしく現状全線がワンマン運転の路線ですが、かなりの駅がまだ有人駅になっていて、列車が到着する前後で出改札をしっかりと行っています。そして上信の恒例行事が、出発して行く列車へ向けての駅務職員の一礼。乗客に向けてか、乗務員に向けてかは定かではありませんが、どこの駅でもこの光景が見られるので、おそらく社としての決め事なのでしょう。出発して行くのは、富岡市に工場を持つ子供向け文具メーカーの株式会社桃源堂のラッピングトレイン701形。
高崎市の西端に位置する吉井駅。旧多胡郡の中心地に当たる地区で、高崎から出た電車が初めて辿り着く街らしい街、という感じの雰囲気があります。小さな平屋建ての駅舎にかかる駅名標には「日本三古碑の一つ多胡碑のある町」と書かれている。「多胡碑(たごひ)」というものは、奈良時代の和銅年間にこの場所に多胡郡が生まれた事を記した石碑で、世界でも有数の古文書の一種。それぞれ地域における当時の出来事を記して同時期に建てられた根小屋の「金井沢碑」、山名の「山ノ上碑」と合わせて「上野三碑(こうずけさんひ)」と呼ばれています。
吉井の駅前は一応は小さな商店街になっていますが、店の数も人の通りも少なく・・・そして、駅前にハイヤーの詰所があるのってなかなかポイント高いですよね。鉄道模型における典型的な地方私鉄の駅前風景という感じで。上信ハイヤーは上信電鉄の系列の子会社ですが、吉井駅前からは上野三碑を巡る巡回バスなんかも運行しています。
上信電鉄の有人駅は、ほぼ列車別改札を行っているので、列車が接近する時間にならないと基本的にホームに上がる事は出来ません。少し薄暗い待合室で駅の空気を吸ってみる。あ、ここにもありますね上毛かるた。「昔を語る 多胡の古碑」ですか。そして改札口で卵から育てられているメダカ・・・駅員さんの趣味なのかな。何とも緩やかな空気が流れる、吉井の駅の待合室です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます