(デハクハコンビ・富岡ローカルに立つ@上州富岡駅)
夕方の富岡ローカルに入ったデハクハコンビ。富岡市は、鏑川沿いの西上州の中心都市で人口は5万人弱。高崎から碓氷峠を通って軽井沢へ抜ける中山道の脇往還として、古くから陣屋町・宿場町として栄えた町でもあります。この町を有名にしたのは、ひとえに明治維新からの官営・富岡製糸場の開場に尽きるのですが、上信電鉄の乗客の流動的にもここで一段落ちる。そのため、一日に三往復くらい富岡折り返しの電車があって、ダイヤ上のアクセントになっています。
この日のデハクハ、夕方の富岡ローカルを一往復こなした後、下仁田行きになって下仁田で滞泊の運用となっていました。折角なのでひと乗車してみようかという事で、上州富岡から上り高崎行きの客に。前の方の車輛に集中しがちなワンマン列車、ガラガラなデハ252側に陣取って流れゆく車窓の景色に身を任せつつ、少し疲れたのかうつらうつら。梅雨時の西上州、夕暮れもないような麦畑の中、鏑川を渡り、田園風景を走る列車に揺られながら過ぎて行きます。
何となくそのまま帰るのは勿体ないような気がして、根小屋の駅でデハクハを見送る。夜が迫ってきた高崎の街はずれ。駅員さんが一人また一人と、家路に就く乗客たちから丁寧に切符を回収する。いつもの上信電鉄の風景なのだけど、そこらへんの機微と言うか空気の流れ、大事にしたいなあと思わせる何かがあります。
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