青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

平川の 名湯ぷかり 風邪知らず。

2025年02月18日 17時00分00秒 | 弘南鉄道

(黄金の稲穂揺れて・・・@津軽ウインターイルミネーション列車)

「冬の田んぼアート」を楽しんだ後は、このイベントに合わせて増発された臨時電車で弘前へ。黄金の稲穂を模したイルミネーションを配した車内は、照明を落として幻想的な世界。ちなみに、乗車には別途料金500円を所望されました。手土産に小さなお手ぬぐいのグッズ付きでしたが、正直別途料金を取って運行しているせいか、車内の乗客はまばらです。やはり臨時電車というのもあるし、別料金を取るというスタイルだと利用率はそこまでいいとは言えなかったかなあ・・・。弘南鉄道なりの増収策なんでしょうけどね。それなら、もう少ししっかりとおカネを取って「けの汁列車」みたいなイベント列車で運行した方が良かったのかも。けの汁列車、コロナで中断していて2025年の今シーズンから5年ぶりに復活したようなのですが、お座敷車両での弘南線往復にけの汁とおかずの盛り合わせの折り詰めに飲み放題までついて5,400円だから全然悪くないよね。弘前→田んぼアート(下車)→黒石まで回送して折り返し→田んぼアート(乗車)→平賀で運転停車して宴会→弘前、みたいな感じで時間を設定すれば結構楽しめるのではないかと。

「イルミネーション列車」は、黒石高校の生徒がこしらえたラッピング列車で運行されていました。この日の弘南線で唯一動いた原形顔。黒石高校ラッピングって弘南線の電車で綿々と続いてるね。黒石高校って、黒石駅に着く少し手前の右側にでっかいグラウンドと校舎が見えます。そもそも沿線に学校関連の施設が多い弘南鉄道ですが、まさに弘南線と共にあるような高校なので、結びつきも強いんでしょう。元々女学校として設立された高校で、県内の公立高校で唯一看護学科の設置があるのだとか。

さて、今日のすることやりたいことも終わったので、宿へ向かいましょうかね。弘南線のホームを駅コンコースのイルミネーションと共に。大きく窓に映り込むのはねぶた猫。折り返しの電車が出るまでの間、駅のコンビニで晩酌用のアルコールを少し仕込んでから黒石行きの電車の乗り込む。もう時刻は夜8時を過ぎて、黒石行きの電車には若いカップルの酔客の姿などもあった。都会であれば、飲んだところでこんな時間で帰宅するのはまだ早いように思うのだけど、弘前からの終電は21:40となればこのくらいの時間が頃あいか。地方都市の場合飲みに行くのもクルマであることは珍しくないので、そうなると帰りの足は運転代行だけれども、運転代行の相場は2kmで2,000円くらいでそっから1kmごとに200円だから、電車を使う方が何だかんだ安上がりでしょう。弘前からの帰りはやっぱり扁平顔の東急7000。この日は結局定期で回ったのは中間改造車顔だけでした。

この日の泊まりは平川市にある「大坊温泉保養センター」。弘前に泊まるとなれば駅近くにホテルがいっくらでもありますけど、せっかくなので温泉付きの宿泊施設に泊まりたい。幸いにして、津軽にはこのように地域の公衆浴場を兼ねながらも泊まりも出来るビジネス温泉旅館みたいなものがいくつもあって、ここもそのうちの一つ。弘南線と大鰐線のどちらにも出易い位置にあるし、大浴場にふんだんに注がれる溢れる湯量のいい温泉が入り放題。以前に泊まったこともあるんだけど部屋もきれいだし、何よりホテルじゃないので和室で畳に布団を敷いて眠れるのがうれしい。そしてこのインバウンド需要でどこも宿泊価格が高騰する中で、一泊素泊まり6,000円くらいなのはリーズナブル。弘前駅前で狭いビジホやカプセルに泊まるなら絶対こっちの方をお勧めする。唯一、鉄道利用で宿泊するのは位置的に厳しいこと(駅から徒歩は少々無理がある)は難だけど、今回はレンタカー借りてますのでね。

「風邪知らずの湯」と言われるちょっと熱めの湯が、円柱の湯口からドバドバと注がれる大浴場。入れ代わり立ち代わりやって来る津軽っ子たちの難解なお国言葉を聞きながら湯船にプカプカと浸かり、一日の垢を落として部屋に戻る。黒石のスーパーで買い込んだパックの寿司と陸奥湾ホタテ、あとは黒石焼そばにイガメンチに・・・その他ビールと地酒と適当に地のものをテーブルに並べての小宴会。ビジネス旅館なので廊下に電子レンジも置いてあるから、お惣菜物の温め直しも楽だ。旅に出てまでパックの寿司食うなよ!と思う人もいるかもしれないけど、どうしても遅くまでカメラ握ってフラフラしてしまう自分のような人間にはこういうスタイルが合っている。宿の食事の時間のために、夕暮れのいい時間帯のカットが撮れないなんて何のために出掛けてるか分かんないじゃないですか。まあ、そういう思考をしていると、旅先の食事はこうなりがちなのだが、すべて人生、いいとこ取りは出来ないってことで。それと、旅先の地元スーパーは楽しいですよ。その土地の生活に根差したいろんなものが見えて。

すっかり酔っぱらって、そのまま布団の上にダイブした一人旅の夜。旅先の寝落ちは、変な時間に目が覚める。はだけた浴衣を直して、少し酔いが醒めた体を引きずってよろよろと宿泊者専用の温泉へ。冷えた体に染みわたる大坊の湯・・・誰も入っていないので、自分が入った分だけ洗い場にザバザバと流されていく源泉に対してスマヌスマヌと思わず謝りたくなってしまう。溢れて捨てられた分だけお金払ってもいいくらいだ。そういうのを源泉徴収って言ったりするのかもしれませんが。

最近は、YouTubeで軽バンやら軽トラみたいなのをカスタムしたクルマでやる車中泊の旅の動画を見るのが好き。
行き当たりばったりに出掛けては好きなものを見て、思い付いた場所にクルマを止めて、好きな温泉入って、好きなメシ食って寝袋にくるまって眠る。
結局お出掛け好きの行きつく先って、車中泊なのかなあと思わないこともないけど、これがあるから温泉宿はやめられんね。


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