(北関東の冬の空@武川駅)
青空の下、満載の鉱石を積んで武川のヤードに到着したデキ504牽引の貨物列車。重い雪雲が低く垂れ込める日本海側と違って、比較的晴れの日が多いのは関東の冬の特徴ですが、こと北関東については、冬の時期の「晴れの質」が一段と高いような感じがします。秩父鉄道には、架線凍結などの多い厳寒期に集電性能を高めるため、デキのパンタグラフが両方上がる「両パン」の時期に来ることが多いのだけども、そう言えばあまり天気が悪かった時がない。新潟や会津地方に雪を降らせ、三国山脈や帝釈山脈を越えて北関東に吹き付ける空っ風は・・・と筆を進めたところで、あ、いや、ここ深谷は埼玉だっけか。という事を思い出すのであった。まあでも埼玉の北部って群馬・栃木の北関東工業ベルトと関係が近いし、みそポテト・いもフライなどのイモ食文化やおっ切り込み・煮ぼとなどの小麦食など、食の面から見ても共通点が多いし、北関東みたいなもんだよね。
個人的には、ちょうど秩父鉄道が通っている位置が、南関東と北関東の境目に当たると思っている。秩鉄より北側とか、東武電車やJRだと栗橋や久喜以北は埼玉だとしてももう「北関東」の範疇ではないのかと。高崎線や東武電車に乗っていると、その辺りから客人のおっさんの口調が明らかに違ってくるし、そして何しろ冬場になると、幾重にも続く冬ざれした田んぼの茶色と、車窓に広がる空がこの日の様にどこまでも広くて青いのだ。秩父のデキの色は、澄み切って鮮やかな、そんな北関東の冬の空の色を映しているのではないかと思う。