(爽秋の貴船口を往く@叡山電鉄900系)
爽やかな風が吹く貴船口の駅近く、鞍馬川の小さな鉄橋を渡って行くのは叡山ご自慢の観光電車「きらら」ことデオ900系。乗降口の部分の窓は天地に長く、そして側面の窓は天井まで巻き込むような位置にもセットされていて、観光電車らしく眺望を重視した大きな窓が特徴。京都盆地の通勤通学輸送と、四季折々の風景を彩る貴船・鞍馬の観光輸送。春の桜や初夏の青葉、夏の新緑に二ノ瀬・貴船の秋の紅葉、そして冬は雪が降り積もることも珍しくない修験の里の鞍馬の山へ。叡山電車の役割は、地元輸送と観光輸送のハイブリッド。出町柳の駅の雰囲気から何となく感じていたのですが、叡山電車には江ノ電っぽさがだいぶ入っているように思う。デオ900系は、そこに箱根登山電車の山登りの要素がチョイと加わった、そんな感じの車両でもあります。
鞍馬行きの電車を見送り、貴船口の駅へ戻ると、折り返したきらら号が紅葉の青葉を横目にやって来た。電制を効かせて山を下りる900系。二ノ瀬~市原間には、通称「もみじのトンネル」と言われる区間があって、秋の紅葉の季節になるとこの「もみじのトンネル」はライトアップされて、その中を車内の照明を消した列車が通り抜ける・・・というのが恒例のイベントになっています。10月の半ばだと、流石にまだ色付く雰囲気すらかけらもなかったですが、青いもみじのトンネルも清々しいものです。そろそろ秋の京都も紅葉の時期になりますが、色付いたらさぞかし素晴らしい光景なのでしょう。まあ、紅葉の時期の京都なんて地獄のように混んでるでしょうから、個人的にはカネ貰っても行きたくありませんが・・・週末なんかは大勢のお客さんで叡山電鉄もかき入れ時になるのでしょうね。
秋深し 紅葉回廊 夜に咲く。