(斜光と奥志賀の山並み@横倉~森宮野原間)
春の空気にのたりとした横倉の集落。傾きかけた斜光線の中、集落の北側に広がる耕地を139Dの飯山色がゆっくりと森宮野原へ向けて走って行きます。バックでうっすらと雪をかぶるのは奥志賀へ続く山並み。横倉の集落には、栄村村内唯一の小学校(栄小学校)がありますが、手元にある写真集「ふるさと飯山線」には、横倉の駅で撮られた元気な子供たちの通学風景が写されていて、ほっこりした気分にさせてくれます。生徒の中には、今でも飯山線を使って通学している子もいるのだろうと思うけど、どれくらいの生徒が飯山線を使っているのだろう。ちなみに今年の栄小学校、新入生は6人だったそうです。
ゆるゆると139Dの追っ掛け。森宮を過ぎて、足滝の手前の道祖神があるお堂前の桜は、まだこの時期でも花をたくさん残していました。もっと魚沼方面まで追っ掛けようと思えば追っ掛けられるけど、何となく春の淡い日差しに残り桜と絡めるのがお別れには相応しいように思えて、ここで踏切の音と共に去って行く飯山色を見送りました。
一人辿れば 草笛の
音色哀しき 千曲川
寄せる細波 暮れ行く岸に
里の灯ともる 信濃の旅路よ
(五木ひろし「千曲川」)
頭の中で流れて来る猪俣公章センセの叙情的で流麗なメロディーに乗せ、思わずこの歌を口ずさんでしまいたくなるね。もう次に会うときは、233もいつもの装いなのだろうか。お堂の横の仏さまも、静かな微笑みを湛えて飯山色を見送ってくれました。飯山色が走った季節、夢のごとく過ぎた2年間にありがとう。春の北信濃の旅路は、心穏やかな空気の中で過ぎて行きます。
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