(山の味@上野村ふれあい館)
しおじの湯から、紅葉の山を愛でながら歩いて一時間程度。村の物産を扱う「上野村ふれあい館」にやって来ました。クルマではないのであまり大荷物にはしたくないのだけど、ひょんな事から折角ここまでやって来たのだから何かお土産を・・・と物産館の中をウロウロ。イワナの燻製や甘露煮、天然のはちみつ、クルミ、木工製品などなどやはり山のモノが多い訳ですが、一番フィーチャーされていた「十石みそ」という麦みそを購入。秩父から群馬にかけては美味しい味噌蔵が多いっすよね。私が愛用しているのは秩父のヤマブ味噌なのだけど、これで煮ぼととか豚味噌とか作るのが最高に美味しいのよ。
西上州の山間部を繋ぐ奥多野線のポンチョ。撮り鉄・・・はするのだけど、撮りバスはあまりやったことがない。列車もそうだが、車体の角度の取り方が難しいっすね。あと、バスの場合って基本的に乗降口がある側がオモテ面なんだろうけど、そうなると道路の歩道側から撮影するしかないのかしら。例えばだけど、オモテ面を順光で狙うには、南面した広い交差点で東側から来たバスが左折するところをインから狙う、みたいな極めて限られたシーンでしかカットが狙いにくいですね。交通の多い都市部でバス撮りしてる人とか、レールの上を確実にやって来る鉄道とは違うご苦労が絶えないのではないかと・・・
「しおじの湯」へ向かう午後のバス。これが折り返して来て私の乗る新町行きのバスとなるのでしょう。11月の上旬の上野村の紅葉は実に見事と言うほかはなく、物産館の路傍に植わった真っ赤に色付いたモミジが、早くも山影に入り始めた上野村の国道を往く西上州の長距離路線バスにエールを送っておりました。
バスが折り返してくるまでの30分、物産館のテラスで売店で買った缶チューハイを吞みながらまったりと紅葉を愛でる。午後の光に鮮やかにガラスに写り込んだ紅葉がシンメトリーに美しく。昼食に続いてのアルコール投入、全ての感情を大自然に放り出して一人でチビチビとやっていたら、だんだんと世の中の事はどうでも良くなって来る。どうせであればこのままこの村に泊まって、もう少し山里の静かな秋を楽しみたい気持ちもあったのだけど、無慈悲にもバスの到着する時間となった。しゃあねえ、行くか。
上野村ふれあい館15時発の新町駅前行バスが到着。バスは名産のイノブタがあしらわれた「おいでよ!上野村」のラッピングバス。あれ、さっき「しおじの湯」に向けて登ってったバスじゃないのね。さすがに同じ乗務員がインターバルを持たずに70km以上の距離を往復する行路にはなっていないのだろうか。10:40に新町駅発のふれあい館行きのバスがあるので、これが休憩を挟んでしおじの湯14:50発のバスに充当されているのかな。片道3時間なので、即折り返しの行路では乗務員さんがトイレも昼食の時間も取れないだろうしな。
日の暮れた上野村の山里を走る日野ポンチョ。尻から伝わるゴツゴツとした振動に体を預け、小さな集落のバス停の名前が淡々と読み上げられていくのをただ聞いていた。「恐竜センター」ってバス停がいきなり出て来てビックリしたり。上野村や神流町の周辺は、秩父山地から続く石灰岩質の山塊が多く、採掘の際に恐竜の化石が出土する事も多いのだとか。そう言えば、秩父鉄道で武州原谷から積み込まれる石灰石を産出している叶山鉱山ってのも、山自体がペルム紀に造成された巨大な石灰岩体で、上野村と神流町に跨ったあたりにあるのだったなあ。
砥根平、小春、乙父(おっち)、乙母(おとも)、蛇木、尾附、古鉄橋、伝田郷・・・何しろ新町駅まで130近くのバス停を通過する路線である。特徴的な名前もいくつかあったのだが、アルコール混じりの虚ろなアタマでは、とても覚えきれるものではない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます