青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

春雨に濡れる谷戸

2016年04月03日 23時09分34秒 | 京浜急行

(春雨に濡れる谷戸@追浜~京急田浦間)

追浜の先から堀ノ内まで、三浦半島の脊梁をなす山並みが海岸線に迫り出す急峻な地形の中を行く京浜急行。トンネルに続くトンネルと、その合間には谷戸と呼ばれる集落が細長く山筋に向かって伸びている。春の朝、露出限界ギリギリの暖かい雨に濡れる船越の谷戸、霞の向こうには今まさに繚乱と咲き誇る南郷公園の桜の花。


昨日「今年の桜、撮るなら天気関係ない夜桜がいいよ」なんて書きましたが、それでも桜が咲いていればたとえ雨が降ろうと休みの貴重な時間にカメラを握るのもそれは撮り鉄の性と言うものなのかもしれません。谷戸にありがちな家の前に車が入れない細い階段状の路地に立って、トンネルの坑口の上から見下ろす船越の谷戸。駅から歩いて5分の圏内ではありますが、右を見ても左を見ても切り立った崖に阻まれた開放感の乏しい空間。そんな場所でも家を建て、崖を背負い人が住んでいる。横須賀らしい光景ではある。


南郷公園の背後に迫る尾根の急な斜面にも家が建っていて、その先に段々畑が続いている。田浦の周辺は山の段々畑に梅が植わっているところが多く、「田浦の梅林」としてちょこっと有名だったりしますが、この斜面が度々の崩壊で鉄道の線路に直接の被害を及ぼす事も多かったりして…そこかしこで法面の補修やトンネルの修繕が続いていて、この辺りが京急線内でも一番保線状況に気の抜けない区間なのではないですかねえ。南郷公園の桜をバックに、追浜6号踏切から浦郷のトンネルへ加速して行く台鐡京急。本日は久里浜出庫から朝の上り特急品川行き(601C)で運用スタートです。
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