青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

エネルギー 暮らし支えて 50年。

2022年09月12日 17時00分00秒 | 京都丹後鉄道(丹鉄)

(午後、穏やかな奈具の海@栗田~丹後由良間)

栗田から丹後由良にかけて、風光明媚な奈具海岸を行く丹鉄の線路。並行する国道から少し高い場所を走っているので、なかなか海と鉄道をシンプルに絡め撮れる場所はないのですが、路側帯にクルマを止めて半ば強引に海と丹鉄を合わせてみました。うーん、強引なのもあるけどベージュのコミューター車輛なんで余計に列車が目立たなくなってしまったか。午後の日射しを受けて輝く奈具海岸の波打ち際。夏の穏やかな海ですが、由良ヶ岳が栗田湾に落ち込む要害の地。人が降りて行って遊べるような道はなく、磯釣り師がバッカン抱えて降りて行くような踏み跡が崖に残されている程度でした。

午後の太陽は緩やかに西に傾き、栗田湾を望む高台から黒く重々しい瓦屋根の並ぶ漁村を眺める。稲田を渡る風に乗って、遠くから聞こえて来る気動車のタイフォン。田園地帯に現れた西舞鶴行きは、何やらけったいなデザインを身に纏っていた。青く輝く入江の向こうに見えるのは栗田湾と宮津湾を分かつ黒崎半島ですが、大きな煙突と研究所のような建物は関西電力の宮津エネルギー研究所。現在は稼働していないようですが、2基合計で80万KWの発電能力を持つ火力発電所を備えています。美浜・大飯・高浜と関電原発銀座の若狭湾沿岸から続く丹後半島も、舞鶴・宮津の火力発電所を中心に電力施設の設置は多く、関電施設の周辺に来るといきなり基礎的なインフラ(道路・港湾)が高規格になるというのが電力マネーの力を感じてしまいますねえ・・・以前は、久美浜町でも関電の原発の建設計画があったそうで、約40年に亘って調査や交渉が進められていたようですが、色々な反対があり計画が立ち消えになっているそうです。

福島第一の事故から、ほぼ棚上げとなった原発再稼働問題。どこで決着がつくのかは不透明なまま。再エネを太陽光に偏重した不安定な電力供給、ロシアの侵攻によって追い打ちを掛ける世界的なエネルギー高騰など、エネルギー環境の厳しさが増すばかりの昨今。福島の相双地区同様、日本の電力を支えて来た若狭・丹後の街を結んで、今日も丹鉄が走ります。


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