青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

盆過ぎて 岩滝口の 風清か。

2022年09月22日 17時00分00秒 | 京都丹後鉄道(丹鉄)

(静かな朝の時間@某駅前旅館にて)

由良川橋梁での朝練を終えて宿に戻ると、ご主人が玄関で待っていて「朝食の用意が出来ましたので・・・」と声を掛けてくれた。ひょっとしたら「朝飯も食わないであのお客さんはどこへ行ってしまったのだろう?」と訝られていたのかもしれないがスマヌスマヌ、なのである。こういう旅館でゆっくりと朝の食事を頂くのもいつ以来か。シャッターチャンスを惜しんでクルマは車中泊、メシはコンビニ、夜討ち朝駆けの撮れ高勝負。それもいいけど、たまにはこんなゆっくりとした時間があってもいい。線路にへばりつくだけが旅じゃない、ね(笑)。サバの塩焼きを中心に、目玉焼きや一品小鉢のついたオーソドックスな朝食。朝からご飯をお替りして、美味しくいただきました。

駅前旅館のある岩滝口の駅。天橋立が浮かぶ阿蘇海に沿った旧岩滝町の入口にあるので、岩滝口の名前が付けられたそうな。阿蘇海に注ぐ野田川の河口には、日本冶金工業の大江山精練所があって、古くから大江山で採掘されたニッケルを製錬していました。日本冶金工業は、「ナスステンレス」や「ナストーア」のブランドで知られる会社ですが、元々は昭和初期に作られた大江山ニッケル鉱業が母体の一つ。その大江山のニッケルを運んでいたのが、丹後山田駅(現・与謝野駅)と加悦を結んでいた加悦鉄道になります。

穏やかな時間が流れる岩滝口。お盆休みもそろそろ終わり、日常生活が戻ってきたようだ。朝の遅い時間にやって来た網野行き。ヨーロピアンなスタイルが美しいKTR802。ホームにて、乗り込んだお父さんを見送る親子連れの姿。今日も暑くなりそうだけど、朝の風はほんの少し秋の気配を帯びていました。


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