奈良市内の古書店で、面白い図録を見つけた(A4変形・117ページ)。
タイトルは『「甦(よみがえ)る正倉院宝物」展』で、編集は宮内庁正倉院事務所・奈良国立博物館・朝日新聞社で、発行は朝日新聞大阪企画部となっている。定価の記載はないが、古書店の売価は525円だった。
これは、正倉院宝物の模造品(レプリカ)を集めた展示会の図録である。余白には奈良国立博物館のスタンプが押してあり、日付は平成7(1995)年9月23日となっていた。
うまい具合に新聞の切り抜きがはさんである。見出しは《輝き再び 特別展「甦る正倉院宝物」―復元模造にみる伝統美》(朝日新聞大阪夕刊 95.8.17)。
記事には《9千点近い天平文化の粋を収めた奈良・正倉院の代表的宝物を復元模造した美術工芸品69件が、19日から9月24日まで、奈良国立博物館で公開される》
《正倉院宝物の模造が盛んになったのは明治時代。国が殖産興業策として奨励した。これらは東京、奈良の両国立博物館などに残っている。戦後は正倉院事務所が宝物の材質や制作技法を科学的に調べてこれまでに22件を復元した》とある。
その後、この展示は「巡回展」として全国を回ったようだ。新宿の小田急美術館で開催したときのポスター2枚がネット上に出ていた。天皇・皇后両陛下もご覧になったという。
http://www1.kcn.ne.jp/~joykun/mozou2.jpg
http://www1.kcn.ne.jp/~joykun/mozou1.jpg
図録を見ただけだが、これらレプリカはとてもよくできている。正倉院展の会期中には、ミュージアムショップでもレプリカ(の量産品)を売っていて、私も正倉院柄の袋物や、プラスチック製の紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく=彫刻された象牙のものさし)などを買い求めた。
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/shosoin/shosoin-06.htm
なお写真の仏さまは、東京国立博物館で出会った国宝・聖観音菩薩立像(薬師寺東院堂)のレプリカだ。本物は銅造だが、これは山田鬼斎作の木造。本物に付いている光背(こうはい)がないだけで、全く本物ソックリだ。
最近の正倉院展は、30万人近くの人を集める大イベントになっている。奈良の駅で「まさくら(正倉)院展は、どこでやっていますか?」と訪ねる人もいるほど、大衆化が進んでいる。これだけの著名展であるが、傷みやすいし、宮内庁が管理する御物(ぎょぶつ=超国宝)なので、正倉院と目と鼻の先にある奈良国立博物館でしか公開されない。
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/shosoin/shosoin-1.bak
しかし、あまりの混雑ぶりに「2時間も待つのはイヤ」「人が多すぎて展示物に近づけない」「もう2度と来ない」という人が増えていることも事実だ。
奈良は「名画の残欠が美しいように美しい」と書いたのは志賀直哉(「奈良」)だが、正倉院展に出てくる織物の残欠は、色も褪せ繊維もボロボロで往年の美しさは失(う)せている。しかし図録にあるレプリカの織物は、制作当時そのままの鮮やかさだ。
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/shosoin/shosoin-16.htm
ぜひ、このレプリカ展を県内で常設展示(または県内巡回展示)し、特に観光客の少ない夏や冬場の集客の目玉にしていただきたいものだ。所有者は奈良・東京の国立博物館と宮内庁が独占しているので、この3者と協議すれば足りる。正倉院展に協力・支援する読売新聞さんあたり、いかが?
※正倉院展 2006(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/58b86d88f76332e74d1db2367ce5f79a
タイトルは『「甦(よみがえ)る正倉院宝物」展』で、編集は宮内庁正倉院事務所・奈良国立博物館・朝日新聞社で、発行は朝日新聞大阪企画部となっている。定価の記載はないが、古書店の売価は525円だった。
これは、正倉院宝物の模造品(レプリカ)を集めた展示会の図録である。余白には奈良国立博物館のスタンプが押してあり、日付は平成7(1995)年9月23日となっていた。
うまい具合に新聞の切り抜きがはさんである。見出しは《輝き再び 特別展「甦る正倉院宝物」―復元模造にみる伝統美》(朝日新聞大阪夕刊 95.8.17)。
記事には《9千点近い天平文化の粋を収めた奈良・正倉院の代表的宝物を復元模造した美術工芸品69件が、19日から9月24日まで、奈良国立博物館で公開される》
《正倉院宝物の模造が盛んになったのは明治時代。国が殖産興業策として奨励した。これらは東京、奈良の両国立博物館などに残っている。戦後は正倉院事務所が宝物の材質や制作技法を科学的に調べてこれまでに22件を復元した》とある。
その後、この展示は「巡回展」として全国を回ったようだ。新宿の小田急美術館で開催したときのポスター2枚がネット上に出ていた。天皇・皇后両陛下もご覧になったという。
http://www1.kcn.ne.jp/~joykun/mozou2.jpg
http://www1.kcn.ne.jp/~joykun/mozou1.jpg
図録を見ただけだが、これらレプリカはとてもよくできている。正倉院展の会期中には、ミュージアムショップでもレプリカ(の量産品)を売っていて、私も正倉院柄の袋物や、プラスチック製の紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく=彫刻された象牙のものさし)などを買い求めた。
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/shosoin/shosoin-06.htm
なお写真の仏さまは、東京国立博物館で出会った国宝・聖観音菩薩立像(薬師寺東院堂)のレプリカだ。本物は銅造だが、これは山田鬼斎作の木造。本物に付いている光背(こうはい)がないだけで、全く本物ソックリだ。
最近の正倉院展は、30万人近くの人を集める大イベントになっている。奈良の駅で「まさくら(正倉)院展は、どこでやっていますか?」と訪ねる人もいるほど、大衆化が進んでいる。これだけの著名展であるが、傷みやすいし、宮内庁が管理する御物(ぎょぶつ=超国宝)なので、正倉院と目と鼻の先にある奈良国立博物館でしか公開されない。
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/shosoin/shosoin-1.bak
しかし、あまりの混雑ぶりに「2時間も待つのはイヤ」「人が多すぎて展示物に近づけない」「もう2度と来ない」という人が増えていることも事実だ。
奈良は「名画の残欠が美しいように美しい」と書いたのは志賀直哉(「奈良」)だが、正倉院展に出てくる織物の残欠は、色も褪せ繊維もボロボロで往年の美しさは失(う)せている。しかし図録にあるレプリカの織物は、制作当時そのままの鮮やかさだ。
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/shosoin/shosoin-16.htm
ぜひ、このレプリカ展を県内で常設展示(または県内巡回展示)し、特に観光客の少ない夏や冬場の集客の目玉にしていただきたいものだ。所有者は奈良・東京の国立博物館と宮内庁が独占しているので、この3者と協議すれば足りる。正倉院展に協力・支援する読売新聞さんあたり、いかが?
※正倉院展 2006(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/58b86d88f76332e74d1db2367ce5f79a