tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

つる由 ― 奈良に咲く割烹の華

2009年11月26日 | グルメガイド
「奈良で美味しい日本料理を食べたいので、お薦めの和食・割烹の店を教えてほしい」とよく聞かれる。たいてい「奈良市内の高級店だと、つる由(よし)、菊水楼(本館)、月日亭(奈良奥山本店)、富雄の百楽荘でしょうか」とお答えしている。しかし、あとになって「他の3店は、お店の公式ホームページに情報が出ていたが、つる由だけは公式サイトがなく、ネット上にもあまり情報が出てなくて困った」と何度か言われた。お店のパンフレットができたのも、最近のことである。これほどの名店なのに、情報不足とは残念だ。そこで以下、つる由のことをやや詳しく紹介させていただく。



つる由は、古い町並みで知られる「ならまち」の入り口(奈良市脇戸町22-1:もちいどのセンター街をまっすぐ南下したところ)にある。ご主人の河田仁紀さんは、金沢随一の名店「つる幸」で修行を積まれたそうだ。

KCN(近鉄ケーブルネットワーク)の「納得店描」(vol.19)によると《知る人ぞ知るの懐石料理店が新大宮から奈良町に移り、木の香も清々しく席数も増えての開店。狭い間口から誘われて戸を引き、奈良らしい奥行き深い店内に歩みを進めると、まずは檜一枚板のカウンター、奥にはテーブル席、さらには座敷が3室も続くという具合です。肌のあたりもやわらかなカウンターに座れば仕立てられていく料理の技も楽しみのうち》。
http://www.kcn.ne.jp/netpress/nattoku/019/nattoku_19.html


芳醇な旨味の自家製からすみ

《金沢随一という料理店で修行をした店主が「おいしいものを、おいしいようにお出しするだけ」とはなかなかの言。何気ない一品にきちんとした味のしつらいが行き届くのは嬉しいこと。つてがあればこその北陸の食材と腕とセンスが響き合っての料理は目に彩 、口に美味。素直な心意気が料理に生きるとっておきのお店です》。


見事な爪の松葉ガニ(ズワイガニ)と、身をほぐした甲箱ガニ(メスのズワイガニ)。トップ写真とも

薬師寺管主の山田法胤師お薦めの店でもある。「お招きを受けてたまに行く、とっておきのお店。味の楽しめる料理が少しずつたくさん出てきますよ」「料理には、客への心遣いが感じられるし、主人とお客さんとの間に明るい会話があり、気楽な雰囲気がいいですね」(「食べる人通う人」産経新聞夕刊 07.6.6付)と語っておられる。


和食の代表的メニュー・かぶら蒸し。調理レベルの高さがよく分かる

店内はさほど広くないが、奥の和室は、写真のとおりの瀟洒な造りである。この店の料理の特徴は、魚介類など吟味された素材の新鮮さと、創作料理の楽しさである。とかく会席膳などは、おなじみの定番料理が少し趣向を変えながら出てくることが多い。パターンが同じなので、1度行くと手の内が分かってしまう。


和歌山の天然フグの刺身(てっさ)

その点つる由は、行くたびに料理も器もガラリと変わる。いつも新鮮な驚きをもって料理が味わえるわけで、これはスゴいことである。ならまちでは、川上村(吉野郡)で収穫された野菜などの朝市が定期的に催されているが、「旬の山菜などが入ると、さっと見て買って行かれるのが、つる由の料理人さんです。素材を知り抜いておられるのでしょう」という話も聞いた。

店主が金沢で修業されたので、魚介類には定評があるが、奈良特産の野菜なども使いこなし、美味しい料理に仕立てられている。料理に合わせた器やお盆なども、ここを訪ねる楽しみになっている。



つる由(本店)だけではキャパが限られるが、福智院町と下御門商店街に別館がある。本店が満席の場合はこちらで席を確保することもできる。奈良を代表する和食・割烹の高級店、いちどはお訪ねいただきたい。
※地図はこちら(Googleマップ)
http://maps.google.co.jp/maps/place?client=firefox-a&channel=s&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&source=hp&lr=&um=1&ie=UTF-8&q=%E3%81%A4%E3%82%8B%E7%94%B1+%E5%A5%88%E8%89%AF&fb=1&gl=jp&hq=%E3%81%A4%E3%82%8B%E7%94%B1&hnear=%E5%A5%88%E8%89%AF&cid=5738624290361585998

1.「つる由」奈良市脇戸町22-1(ボックス、カウンター、座敷) 電話0742-26-7798
 昼 12:00~14:00、夜 17:00~21:30 不定休
 昼は3675円~、夜は5250円~。座敷料・別途(1050円~)
2.「水乃江」奈良市福智院町2-1(座敷) 電話0742-27-3025(要予約) 不定休
 昼は6300円~、夜は12600円~。座敷料・別途(2100円)
3.「しもみかど水乃江」(最大40名収容)奈良市下御門町35 電話0742-27-0078(要予約) 不定休

※当記事の写真は、おまかせ料理(09.11.26撮影)。
 参考:つる由で新年会(当ブログ内)
 http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/b5d08341bf744703051953658416e1c8



コメント (4)
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