今年(2015年)で5周年を迎えた「ナント・なら応援団」(南都銀行のOB・OG 37人から成るボランティアガイド団体)のことが金融専門紙「ニッキン」(7/31付)の「東西ペンリレー」欄で紹介された。執筆されたのは柴田順夫さん(同行取締役大阪中央営業部長)だ。以下に全文を紹介する。
※写真はすべて、春日大社で開催された研修会の様子(6/22)
退職者が古都を盛り上げ
今年と来年、春日大社は20年に1度の「式年ご造替」に沸いている。2年前には神宮(伊勢)で行われた式年遷宮も大変有名で多くの観光客でにぎわっていた。両者の特徴としては、20年に1度傷んだ所を修復してさらなるご利益を願うということと、建築技術の伝承という意味合いでは同じだが、相違点として、遷宮は社殿の移設建て替え(引越し)であるのに対し、造替は土台となる部分を極力利用しながらの改築という点が大きく違っている。従って、春日大社の社殿は古くからの部分を多く残しており、文化財としても高く評価されている。
このような歴史遺産に恵まれた奈良には、多くのお客さまに来ていただく。そんな古都で、当行はユニークなCSR(企業の社会的責任)を展開している。それが弊行OB・OGによる社寺でのガイド活動である。2010年、奈良で「平城遷都1300年祭」が開催された。この年、県下各地でさまざまなイベントが繰り広げられた。その目玉の1つが「奈良大和路 秘宝秘仏特別開帳」であった。
県下には多くの社寺があり、そこには非公開のお宝が眠っている。それらをこの年限定で公開してもらい、全国の方に拝観してもらおうというのが狙いであった。目のつけどころは良かったが、関係者の話では「社寺の協力がなかなか得られない」とのこと。特別開帳をするには説明・案内をしたり監視をしたりと追加の人手が必要となるが、そんなに人が割けないという厳しい現実があった。
そこで当行は地元のお役に立とうと退職者に声をかけた。地元大学の教授陣による20時間以上の研修を施した上で10年1月、「ナント・なら応援団」が組織され、約30人(平均年齢約65歳)の団員が順次、社寺や史跡に派遣された。すると「親切に案内してもらった」「説明がとても分かりやすい」と評判を呼び、弊行の窓口で感謝の言葉をいただくこともあった。
秋には評判を聞きつけた社寺から追加の派遣要請が相次ぎ、団員を追加募集して対応した。当初は1年間限定の活動であったが翌年、県から「大好評だったので、11年以降も特別開帳事業を継続したい。応援団も引き続き協力してほしい」との依頼があり、その後団員の追加募集を行いながら現在に至っている。
現在の団員数は37人。春日大社、史跡頭塔、大安寺、矢田寺、壷阪寺など多くの社寺でガイドを行っており、特に春と秋の観光シーズンには引っ張りだことなっているようだ。実はあまり自信はないものの、密かに私も退職後は入団したいと思っている。古都奈良ならではのCSR、これが地方創生にもつながることを願い、今後も熱心な活動が続く。
「ナント・なら応援団」の活動は順調に推移し、今は「4期生」の新規募集をかけているところである。今年からは春日大社や珹寺(れんじょうじ)などの新規社寺が加わり、てんてこ舞いしているので新たな団員を募っているのだ。6月には矢田寺(金剛山寺)から感謝状もいただいた。
奈良の社寺で「ナント・なら応援団」の赤いベストを目にされましたら、「頑張ってね!」と、ぜひ励ましてあげてください。
※写真はすべて、春日大社で開催された研修会の様子(6/22)
退職者が古都を盛り上げ
今年と来年、春日大社は20年に1度の「式年ご造替」に沸いている。2年前には神宮(伊勢)で行われた式年遷宮も大変有名で多くの観光客でにぎわっていた。両者の特徴としては、20年に1度傷んだ所を修復してさらなるご利益を願うということと、建築技術の伝承という意味合いでは同じだが、相違点として、遷宮は社殿の移設建て替え(引越し)であるのに対し、造替は土台となる部分を極力利用しながらの改築という点が大きく違っている。従って、春日大社の社殿は古くからの部分を多く残しており、文化財としても高く評価されている。
このような歴史遺産に恵まれた奈良には、多くのお客さまに来ていただく。そんな古都で、当行はユニークなCSR(企業の社会的責任)を展開している。それが弊行OB・OGによる社寺でのガイド活動である。2010年、奈良で「平城遷都1300年祭」が開催された。この年、県下各地でさまざまなイベントが繰り広げられた。その目玉の1つが「奈良大和路 秘宝秘仏特別開帳」であった。
県下には多くの社寺があり、そこには非公開のお宝が眠っている。それらをこの年限定で公開してもらい、全国の方に拝観してもらおうというのが狙いであった。目のつけどころは良かったが、関係者の話では「社寺の協力がなかなか得られない」とのこと。特別開帳をするには説明・案内をしたり監視をしたりと追加の人手が必要となるが、そんなに人が割けないという厳しい現実があった。
そこで当行は地元のお役に立とうと退職者に声をかけた。地元大学の教授陣による20時間以上の研修を施した上で10年1月、「ナント・なら応援団」が組織され、約30人(平均年齢約65歳)の団員が順次、社寺や史跡に派遣された。すると「親切に案内してもらった」「説明がとても分かりやすい」と評判を呼び、弊行の窓口で感謝の言葉をいただくこともあった。
秋には評判を聞きつけた社寺から追加の派遣要請が相次ぎ、団員を追加募集して対応した。当初は1年間限定の活動であったが翌年、県から「大好評だったので、11年以降も特別開帳事業を継続したい。応援団も引き続き協力してほしい」との依頼があり、その後団員の追加募集を行いながら現在に至っている。
現在の団員数は37人。春日大社、史跡頭塔、大安寺、矢田寺、壷阪寺など多くの社寺でガイドを行っており、特に春と秋の観光シーズンには引っ張りだことなっているようだ。実はあまり自信はないものの、密かに私も退職後は入団したいと思っている。古都奈良ならではのCSR、これが地方創生にもつながることを願い、今後も熱心な活動が続く。
「ナント・なら応援団」の活動は順調に推移し、今は「4期生」の新規募集をかけているところである。今年からは春日大社や珹寺(れんじょうじ)などの新規社寺が加わり、てんてこ舞いしているので新たな団員を募っているのだ。6月には矢田寺(金剛山寺)から感謝状もいただいた。
奈良の社寺で「ナント・なら応援団」の赤いベストを目にされましたら、「頑張ってね!」と、ぜひ励ましてあげてください。