月曜日(4/4)、ふらりと立ち寄った書店で、NHK(Eテレ)「100分de名著」のテキストがたくさん平積みされているのを発見した。タイトルは「司馬遼太郎スペシャル」。ぱらぱらと見ていたが、これは面白そうだ。しかしテキストを読む余裕はないのでEテレを見よう、と思い表紙をよく見ると「2016年3月」の文字。放送も再放送も、もう終わっていた。しかし帰宅して検索してみると、見つけた!同番組の公式Twitterに
司馬遼太郎スペシャル、みなさまの反響を受けまして、4月10日(日)午前0:00~1:40 <土曜深夜>に、全四回一挙アンコール放送が決定しました(変更の可能性あり)。見逃した方、ぜひこの機会にご覧ください。
おお、1ヵ月間の100分が一挙に再放送されるのだ! 早速、Eテレのタイマー録画をセットしたことは申すまでもない。では、どんな番組なのか。NHKの同番組HPによると、
「ほかに類をみない豊かな多様性」「民衆の隅々まで行き渡った公の精神」「目先の利害にとらわれないリーダーたちの無私な高潔性」…今や失われようとしている、日本という国が元々もっていた美質。
私たちが見過ごしてきた日本という国の豊かさ、日本人の精神性の深さを瑞々しい言葉で作品に描き出してきた作家・司馬遼太郎(1923-1996)。彼が亡くなってから2016年でちょうど20年になります。そこで「100分de名著」では、卓越した日本人論としても読み解ける司馬作品を通して、「日本とは何か?」や「歴史における人間の役割とは何か?」をあらためて見つめなおしたいと思います。
司馬遼太郎が作家になる原点となったのは、学徒出陣で召集された戦争体験。当時22歳だった司馬は「なぜこんな馬鹿な戦争をする国に生まれたのだろう。昔の日本はもっとましだったに違いない」と考え、日本の歴史に目を向け始めます。32歳で作家デビューした司馬は、後に「22歳の自分へ手紙を書き送るようにして小説を書いた」と述懐しています。
時あたかも日本が高度経済成長に邁進していた時期。司馬は見失われそうになっていた「日本人の精神性」や「風土の豊かさ」を歴史の中から掘り起こし、作品に書きとどめることで救い出そうとしたのです。
しかし、司馬作品は単にかつての日本を礼賛しているだけではありません。司馬は類い希なる感性で、歴史資料の端々に潜む人々の声に耳をすませ、日本がある時期誤った方向へ進んでしまった理由もつきつめていきます。司馬作品は、歴史の大きな転換期にあって「日本がどのような方向へ舵を切っていったらよいのか」を考えるための大きなヒントをも私達に与えてくれるのです。
番組では磯田道史さん(静岡文化芸術大学教授)を指南役として招き、司馬遼太郎が追い求めた歴史観を分り易く解説。小説「国盗り物語」「花神」、エッセイ「『明治』という国家」「この国のかたち」等の作品に現代の視点から光を当てなおし、そこにこめられた【日本人論】や【日本文化論】【歴史から学ぶ生きる智恵】など、現代の私達にも通じるメッセージを読み解いていきます。
「日本とは何か?」「歴史における人間の役割とは何か?」これは楽しみである。『「明治」という国家』や『この国のかたち』は早くに読了したが、もう一度、おなじみ磯田道史氏の明快な解説で振り返りたいものである。皆さんも、ぜひ今から予約録画を!
司馬遼太郎スペシャル、みなさまの反響を受けまして、4月10日(日)午前0:00~1:40 <土曜深夜>に、全四回一挙アンコール放送が決定しました(変更の可能性あり)。見逃した方、ぜひこの機会にご覧ください。
司馬遼太郎スペシャル 2016年3月 (NHK100分de名著) | |
磯田道史 | |
NHK出版 |
おお、1ヵ月間の100分が一挙に再放送されるのだ! 早速、Eテレのタイマー録画をセットしたことは申すまでもない。では、どんな番組なのか。NHKの同番組HPによると、
「ほかに類をみない豊かな多様性」「民衆の隅々まで行き渡った公の精神」「目先の利害にとらわれないリーダーたちの無私な高潔性」…今や失われようとしている、日本という国が元々もっていた美質。
私たちが見過ごしてきた日本という国の豊かさ、日本人の精神性の深さを瑞々しい言葉で作品に描き出してきた作家・司馬遼太郎(1923-1996)。彼が亡くなってから2016年でちょうど20年になります。そこで「100分de名著」では、卓越した日本人論としても読み解ける司馬作品を通して、「日本とは何か?」や「歴史における人間の役割とは何か?」をあらためて見つめなおしたいと思います。
国盗り物語 1~4巻完結セット | |
司馬遼太郎 | |
新潮文庫 |
司馬遼太郎が作家になる原点となったのは、学徒出陣で召集された戦争体験。当時22歳だった司馬は「なぜこんな馬鹿な戦争をする国に生まれたのだろう。昔の日本はもっとましだったに違いない」と考え、日本の歴史に目を向け始めます。32歳で作家デビューした司馬は、後に「22歳の自分へ手紙を書き送るようにして小説を書いた」と述懐しています。
時あたかも日本が高度経済成長に邁進していた時期。司馬は見失われそうになっていた「日本人の精神性」や「風土の豊かさ」を歴史の中から掘り起こし、作品に書きとどめることで救い出そうとしたのです。
花神〈上〉 (新潮文庫) | |
司馬遼太郎 | |
新潮社 |
しかし、司馬作品は単にかつての日本を礼賛しているだけではありません。司馬は類い希なる感性で、歴史資料の端々に潜む人々の声に耳をすませ、日本がある時期誤った方向へ進んでしまった理由もつきつめていきます。司馬作品は、歴史の大きな転換期にあって「日本がどのような方向へ舵を切っていったらよいのか」を考えるための大きなヒントをも私達に与えてくれるのです。
「明治」という国家〈上〉 (NHKブックス) | |
司馬遼太郎 | |
日本放送出版協会 |
番組では磯田道史さん(静岡文化芸術大学教授)を指南役として招き、司馬遼太郎が追い求めた歴史観を分り易く解説。小説「国盗り物語」「花神」、エッセイ「『明治』という国家」「この国のかたち」等の作品に現代の視点から光を当てなおし、そこにこめられた【日本人論】や【日本文化論】【歴史から学ぶ生きる智恵】など、現代の私達にも通じるメッセージを読み解いていきます。
この国のかたち[1] (文春文庫) | |
司馬遼太郎 | |
文藝春秋 |
「日本とは何か?」「歴史における人間の役割とは何か?」これは楽しみである。『「明治」という国家』や『この国のかたち』は早くに読了したが、もう一度、おなじみ磯田道史氏の明快な解説で振り返りたいものである。皆さんも、ぜひ今から予約録画を!