tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

柳屋の「きぬ巻 時雨寿司」/JR吉野口駅構内で販売中!

2016年09月07日 | 奈良にこだわる
柳屋(御所市古瀬5)をご存じだろうか。奈良県商工会連合会の「地域でがんばる会員さん」(PDF)によると

当社は、明治末期の創業で当時の国鉄(現在のJR)和歌山線の吉野口駅構内で寿司、弁当販売をしたのが始まりです。その後、第二次世界大戦の前後長い期間、列車の車内販売を中心に営業を行ってまいりました。現在は、吉野口の本店の他、近隣の市(大和高田市、橿原市)また大阪の百貨店で販売を行っております。ぜひ、一度ご賞味下さい。



ここの主力商品は柿の葉寿司と鮎寿司(鮎の姿寿司)のようだが、私のおススメは「きぬ巻 時雨(しぐれ)寿司」(税込み480円)である。寿司飯に具はアサリの時雨煮(佃煮)、それをとろろ昆布で巻いただけのシンプルな寿司だが、これが美味しいのである。

この寿司は私の「懐かしの味」である。小学生の頃、実家から国鉄高野口駅へ出て、吉野口駅で近鉄に乗り換え、母親の実家(近鉄下市口駅近く)へ行く。当時は国鉄と近鉄の連絡が悪く、吉野口駅で長い時間待たされたが、その時間待ちの楽しみが、構内売店で売っている柳家のお寿司。

鮎寿司も美味しいが、やはり目当ては「きぬ巻 時雨寿司」だ。シルクのようなとろろ昆布の食感が楽しめるし、時雨煮と寿司飯の相性も抜群だ。「こんな美味しい寿司を考えた柳屋さんはエライ!」と子供心にも思ったものだ。



その後わが家は車を買い、母の実家へは車で向かうことになったので、吉野口駅へ立ち寄ることもなくなった。就職してからも、奈良や大阪や京都や東京など、いろんなところで「きぬ巻 時雨寿司」を探したが、見つからなかった。山菜などをとろろ昆布で巻いたものは見かけるが、時雨煮を巻いたものがないのだ。

そのうち偶然、5~6年前に柳屋さんの前を通りかかり、「もしかして」と思って車を止め、店に入ると、おおっ、「きぬ巻 時雨寿司」があった! うれしさのあまり車の中でぱくぱく食べてしまい、うっかり写真を撮るのを忘れてしまった。



先日(8/26)、所用で柳屋さんの近くを通りかかったので、再び「幻の味」を手に入れたのが写真の寿司である。味は昔と全く変わっていない。今もJR吉野口駅の構内で販売しているそうである。まるで50年前にタイムスリップした気分である。そんな柳屋さんのお寿司が、大和高田や橿原、大阪のデパートでも販売されていたとは、ついぞ知らなかった。

外食をすると、最近はいろいろと凝ったものが出てくるが、やはりシンプルな食べ物が美味しい。今度は鮎の姿寿司を食べてみよう。皆さん、吉野口へ行かれたときは、ぜひお買い求めください!
コメント (4)
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