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戒長寺(宇陀市)の秘仏・薬師三尊像/毎日新聞「やまと百寺参り」第56回

2020年06月14日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(6/11)掲載されたのは、「薬師如来に癒やされる/戒長寺(かいちょうじ 宇陀市)」、執筆されたのは、同会副理事長で桜井市在住の雑賀耕三郎さんだった。
※トップ写真は戒長寺境内。写真は、県観光公式サイトから拝借

戒場山(かいばさん)戒長寺(宇陀市榛原戒場)は、『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』(山と渓谷社刊)で、はじめて知った。試験には、十二神将が鋳出された鎌倉時代の梵鐘と、お葉つきイチョウ(県指定天然記念物 葉の上にギンナンが結実する)がよく出題される。

今回、山号であり地名である「戒場(かいじょう)」のことを初めて知った。「仏教で、僧に戒律を授ける式場。高く築く戒壇に対して、平地に設けられる」(デジタル大辞泉)。戒壇の平地版だったのだ!記事には「山岳仏教の授戒の地」とある。では記事全文を紹介する。

宇陀市の額井岳(ぬかいだけ)や戒場山(かいばさん)の中腹は、古くから山岳仏教の授戒の地として開かれました。その中心が戒長寺で、2体の薬師如来像をはじめ、多くの平安仏が残されています。戒長寺は1291(正応4)年、鎌倉時代の銘が残る梵鐘(ぼんしょう)が有名ですが、それに先立つ平安時代には寺院が建立されていたことがわかります。

本堂の須弥壇(しゅみだん)中央には、本尊・像高約135㌢の薬師如来坐像が安置されています。厳しさの中にも円熟味が感じられるお顔です。数多くの襞(ひだ)が流れる衣文(えもん)、堂々とした体躯(たいく)は平安仏の特徴です。

本尊裏の秘仏薬師三尊像が注目されます。奥壁に沿って仏壇があり、薬師三尊像は本尊と縦列に並び、本尊を後ろから見守るかのような姿です。中尊は像高84㌢、衣を左肩にまとい薬壺をささげて座ります。お顔は端正で穏やか、その表情には癒されます。光輝く新緑の初夏、イチョウの落ち葉で境内が金色に染まる秋、どの季節も戒長寺は美しさにあふれています。(奈良まほろばソムリエの会副理事長 雑賀耕三郎)

(宗 派) 真言宗御室派
(住 所) 宇陀市榛原戒場386
(電 話) 0745・82・2841
(交 通) 近鉄榛原駅からバス「天満台東3丁目」下車、徒歩約30分
(拝 観) 境内拝観自由、堂内拝観は事前申請が必要
(駐車場) 有


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