『スマイルバスで行く ディープな吉野の旅』というガイド本を取り寄せて拝読した。B5版で72ページの薄い冊子だが、中身は濃い。2012年からの8年間で計50回開催したスマイルバス(吉野町のコミュニティバス)を使ったツアーの記録である。
※トップ写真は、本書表紙の上半分
ツアーは終了したが、本書さえあれば、鉄道とスマイルバスを使って同じコースをたどれるという仕掛けである。立ち寄りポイントの解説も詳しい。本書を読んで早速、松森重博さん(NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」理事)が吉野町を歩かれた。松森さんのブログ「鹿鳴人のつぶやき」から一部を抜粋すると、
上千本から歩き始めて3時間かけて宮滝につきました。資料館などは休みの様子でしたのでバス停で待っているとうまい具合に川上村からのやまぶきバス(200円)に拾ってもらって上市駅へたどり着きました。
犬養孝先生監修『万葉の道 巻の3 奈良編』(福武書店)と『スマイルバスで行く ディープな吉野の旅』のおかげで無事、吉野・喜佐谷を下り宮滝へのコースを歩くことが出来ました。犬養先生、万葉の道とおすすめの通り、7キロほどの良いウォークとなりました。

磯崎典央さん(向かって右)と山本茂伸さん。これら2枚の写真は毎日新聞のサイトから拝借
本書のことは、毎日新聞奈良版(2020.6.1付)と奈良新聞(同年6月8日付)に紹介されている。以下、毎日新聞の記事全文を紹介する。見出しは「コミバスで吉野巡り 地元有志団体 ガイド本発刊 歴史や文学テーマ、50回の旅紹介」だ。
この一冊で「吉野通」になれる――。吉野の魅力を発信する地元の有志団体「吉野スタイル」(奈良県吉野町飯貝)がガイド本「スマイルバスで行くディープな吉野の旅」を刊行した。2012年からの8年間で計50回開催した吉野を巡る旅の記録だ。美しい写真や見やすい地図が満載で、濃厚な吉野を味わえる旅の手引書となっている。
吉野スタイルは12年に同町の磯崎典央さん(64)とカメラマンの山本茂伸さん(60)=大淀町=が共同代表となって設立。その年に企画した第1回の旅「万葉歌碑巡りウォーク」(9月)と第2回「大海人皇子所縁の地を歩く」(11月)が好評で、13年は県外からの参加者が一気に増えたという。以来、毎年7回ほど企画してきた。

本書のモデルコースのページ。バスと徒歩で行く旅程と地図が見やすく掲載されている
旅では吉野町が09年から運営するコミュニティーバス「スマイルバス」を利用した。地元の人が使うバスに乗ることで、「普段着の吉野に接することができた」という。地元の人たちの利用を妨げないよう、参加者は毎回20人に抑えた。
旅のテーマは多岐にわたり、「壬申の乱」「太平記」、義経や芭蕉、西行などの定番の歴史人物だけなく、吉野鉄道など地元の近代を作り上げた郷土の偉人や、現在も町の基幹産業であり続ける製材所などにも光を当てた。今回はこれらの旅の記録を一冊にまとめ、50回の旅を「歴史」「文学・古典芸能」など各分野ごとに簡潔な文章で紹介している。写真だけでなく地図にもこだわったという山本さんは「これさえあれば自分で吉野を歩けるという本を目指した」。バスや徒歩による旅程も掲載し、これから旅する人の貴重な情報となっている。
旅の企画は50回で終了したが、磯崎さんは「一歩奥に踏み込んだ吉野を案内できたらと思って本にまとめた」。ガイドの一人で、同町立吉野歴史資料館長などを歴任した池田淳・大阪芸大講師は「吉野の人が地元のバスを使って地元のことを紹介した魅力的な旅。地元の人にとっても大きな発見と記録になるだろう」と評価する。B5判で1200円(税込み)。問い合わせは磯崎さん(090・6235・6605)。【萱原健一】
本書には池田淳さん(元吉野歴史資料館館長)と池内力さん(奈良まほろばソムリエの会会員)が、特別寄稿されている。兵庫県姫路市出身・在住の池内さんは、片道3時間半をかけて2014年6月から、ほぼ毎回参加されたという。しかもこのツアーを知ったのは当ブログだというからこれは嬉しい、紹介した甲斐があったというものだ。
磯崎典央さん、山本茂伸さん、素晴らしいツアーと素晴らしいガイド本、ありがとうございました。皆さんもぜひ、本書をお買い求めになり、これを携えて吉野町をお訪ねください!

※トップ写真は、本書表紙の上半分
ツアーは終了したが、本書さえあれば、鉄道とスマイルバスを使って同じコースをたどれるという仕掛けである。立ち寄りポイントの解説も詳しい。本書を読んで早速、松森重博さん(NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」理事)が吉野町を歩かれた。松森さんのブログ「鹿鳴人のつぶやき」から一部を抜粋すると、
上千本から歩き始めて3時間かけて宮滝につきました。資料館などは休みの様子でしたのでバス停で待っているとうまい具合に川上村からのやまぶきバス(200円)に拾ってもらって上市駅へたどり着きました。
犬養孝先生監修『万葉の道 巻の3 奈良編』(福武書店)と『スマイルバスで行く ディープな吉野の旅』のおかげで無事、吉野・喜佐谷を下り宮滝へのコースを歩くことが出来ました。犬養先生、万葉の道とおすすめの通り、7キロほどの良いウォークとなりました。

磯崎典央さん(向かって右)と山本茂伸さん。これら2枚の写真は毎日新聞のサイトから拝借
本書のことは、毎日新聞奈良版(2020.6.1付)と奈良新聞(同年6月8日付)に紹介されている。以下、毎日新聞の記事全文を紹介する。見出しは「コミバスで吉野巡り 地元有志団体 ガイド本発刊 歴史や文学テーマ、50回の旅紹介」だ。
この一冊で「吉野通」になれる――。吉野の魅力を発信する地元の有志団体「吉野スタイル」(奈良県吉野町飯貝)がガイド本「スマイルバスで行くディープな吉野の旅」を刊行した。2012年からの8年間で計50回開催した吉野を巡る旅の記録だ。美しい写真や見やすい地図が満載で、濃厚な吉野を味わえる旅の手引書となっている。
吉野スタイルは12年に同町の磯崎典央さん(64)とカメラマンの山本茂伸さん(60)=大淀町=が共同代表となって設立。その年に企画した第1回の旅「万葉歌碑巡りウォーク」(9月)と第2回「大海人皇子所縁の地を歩く」(11月)が好評で、13年は県外からの参加者が一気に増えたという。以来、毎年7回ほど企画してきた。

本書のモデルコースのページ。バスと徒歩で行く旅程と地図が見やすく掲載されている
旅では吉野町が09年から運営するコミュニティーバス「スマイルバス」を利用した。地元の人が使うバスに乗ることで、「普段着の吉野に接することができた」という。地元の人たちの利用を妨げないよう、参加者は毎回20人に抑えた。
旅のテーマは多岐にわたり、「壬申の乱」「太平記」、義経や芭蕉、西行などの定番の歴史人物だけなく、吉野鉄道など地元の近代を作り上げた郷土の偉人や、現在も町の基幹産業であり続ける製材所などにも光を当てた。今回はこれらの旅の記録を一冊にまとめ、50回の旅を「歴史」「文学・古典芸能」など各分野ごとに簡潔な文章で紹介している。写真だけでなく地図にもこだわったという山本さんは「これさえあれば自分で吉野を歩けるという本を目指した」。バスや徒歩による旅程も掲載し、これから旅する人の貴重な情報となっている。
旅の企画は50回で終了したが、磯崎さんは「一歩奥に踏み込んだ吉野を案内できたらと思って本にまとめた」。ガイドの一人で、同町立吉野歴史資料館長などを歴任した池田淳・大阪芸大講師は「吉野の人が地元のバスを使って地元のことを紹介した魅力的な旅。地元の人にとっても大きな発見と記録になるだろう」と評価する。B5判で1200円(税込み)。問い合わせは磯崎さん(090・6235・6605)。【萱原健一】
本書には池田淳さん(元吉野歴史資料館館長)と池内力さん(奈良まほろばソムリエの会会員)が、特別寄稿されている。兵庫県姫路市出身・在住の池内さんは、片道3時間半をかけて2014年6月から、ほぼ毎回参加されたという。しかもこのツアーを知ったのは当ブログだというからこれは嬉しい、紹介した甲斐があったというものだ。
磯崎典央さん、山本茂伸さん、素晴らしいツアーと素晴らしいガイド本、ありがとうございました。皆さんもぜひ、本書をお買い求めになり、これを携えて吉野町をお訪ねください!
毎日新聞奈良版(2020.6.1付)

奈良新聞(2020.6.8付)
