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定年退職後、大学に入り直し仏教を学ぶ/南都銀行OB便り「お久しぶりです」

2022年06月18日 | 奈良にこだわる
南都銀行の社内報「なんと」が送られて来た。いつも真っ先に開くのは「お久しぶりです」という退職者の紹介ページである。2022年春号(298号)で紹介されていたのは、宇陀市榛原にお住まいで、円隆寺(浄土真宗本願寺派)住職の萩野公章さんだった。萩野さんは昭和25年(1950年)12月のお生まれというから、私より3つ年上の満71歳である。


以下4枚の写真は、昨年行われた円隆寺本堂再建落慶法要の模様。萩野さんから拝借した

ご実家がお寺。38歳からお父さまの代わりに僧侶を務め、銀行と兼務。60歳で定年退職されてからは、受験勉強ののち62歳で龍谷大学に入学。「講義の1分1秒が私にとっては宝石のような代えがたいもの」と、熱心に勉強され、卒業後は大学院にも進まれたという。これはなかなかできることではない。では「お久しぶりです」の全文を以下に紹介する。



私は寺院の生まれで、21歳で僧侶の資格は取ったものの、寺の仕事はすべて父親任せで南都銀行に勤めていましたが、38歳の時父親が倒れ寺の仕事が一気に私の肩にかかってきました。妻に助けてもらいながら(だから今でも妻には頭が上がりません)何とかやってきましたが、何も知らない、何も出来ない坊さんでした。



60歳の定年をきっかけに仏教を一から勉強しようと一念発起、受験勉強の後、平成25年(2013年)龍谷大学文学部に入学、リュックに仏教書を詰め込んで片道2時間の学生生活が始まりました。はるか昔の学生時代には、いかに要領よく単位を取ることしか考えていなかったのですが、学びたいとの思いでする学問がこれほど楽しいものとは自分でも意外でした。講義の1分1秒が私にとっては宝石のような代えがたいものでした。



また素晴らしい出会いの場でもありました。ゼミの教授は私より年下の方でしたが、いつも親切に教えていただき、また人生について語りあったことが忘れられません。20歳の学友たちともすっかり仲良くなって先斗町の飲み屋街を歩き回った思い出がよみがえります。私は銀行員時代の癖で登校時にはネクタイを着用していたのですが、キャンパスを歩いていると、いつも教授に間違われて知らない学生からあいさつを受けて面おも映は ゆい思いをしたものです。

その後、教授の勧めもあって大学院に進みましたが、卒業時には銀行定年時に心身ともに疲れていた私も、“青春again”ですっかり若さを取り戻し、今も元気に走り回っております。


萩野さんは現在、自治会長、民生委員をお務めのほか、西本願寺系寺院21ヵ寺からなる宇陀市北部の組織(組会)の長までお務めだという。

来年は「親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年」。それに先立ち宇陀市でも「慶讃お待ち受け法要」が6月26日(日)に行われるが、その実行委員長もお務めになっている。まさに八面六臂のご活躍だ。

萩野先輩、身につけられた知識・ノウハウを総動員して、これからも社会に貢献してください!

コメント
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