![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/0b/ce0b8f6552366007d6a003c03d28f9e3.jpg)
「和のピントで、奈良を見つめる」と銘打った『ならめがね』(エディッツ刊)をご存じだろうか。同誌のHPによると、
※トップ画像は、同誌のホームページから拝借
「ユルい・まったり・懐かしい」をコンセプトに、ココロほどける優しい奈良を紹介する季刊誌です。書名には、「奈良がよく見えるツール」という意味をこめました。奈良が持っている付加価値の中でも、特に都会生活者が希求する「ほっとする懐かしさ」や「古き良き和の心」にフォーカスし、辛口の地元スタッフが心底ホレこんだハイポテンシャルな観光ネタを、気配のある写真と、書き手の思いが詰まった文章で紹介します。
とてもきれいなビジュアルで奈良の素晴らしさを紹介する季刊誌で、発行人・編集人は松原雄一さん。その最新号(2016年秋号 1,000円)の第1特集は「Fashion of The TENPYO なんと華麗な天平ファッション」。リード文には、
艶やかな色彩、優美なフォルム、ハイセンスなコーデに、ため息がこぼれます。奈良時代の貴族たちが着ていた装束を、現代に再現した「天平衣装」。1300年近く前、遣唐使を通じて平城京にもたらされた唐の最新ファッションは、今見てもモダン。多くの女性の憧れです。
天平衣装といえば、「平城京天平祭」などの天平行列で初めて目にしたという方も多いはず。その衣装製作を手がけているのが、万葉衣装服飾家の山口千代子氏です。
正倉院宝物や仏教絵画など、現存する資料を手がかりとしながら、そこに服飾家ならではの洋裁スキルと、女性のやわらかな感性をプラスして製作される天平衣装は、実にエレガント。見れば見るほど、お洒落心がときめく天平ファッションを特集します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/ce/3e3b2b9a8d09918171bb359d4e303bc5.jpg)
以下の写真は「万葉ファッションショー」(9/2開催)、衣装製作は山口さん。県大芸術祭のHPから拝借
どんなスゴい衣装かということは、ぜひ本誌を手にとってご覧いただきたいのであるが、勤務先でページをめくっていると、ウチの女子たちが「きれい!」「鮮やか!」を連発していた。ブログ「藤原氏と古代史推進委員会」には、
奈良を紹介している季刊誌『ならめがね』。最新号はなんと、天平ファッション特集です!!平城京天平祭などで衣裳を手掛ける万葉衣装服飾家・山口千代子さんが解説をされており、また普段は行列などで遠くから・着用時・しか見られない衣裳を、衣裳のみページいっぱいに広げた状態の写真でじっくり見られます!
衣裳の各部の名称・解説や、官位・身分によって着用できる色について、小物類を採り上げた写真、衣裳制作裏話など、華やかな衣装が好きな人はもちろん、絵を描く人や服を作る人、歴史好きにも参考になるのではないでしょうか。
個人的には、「制服」が載っているのもよかったです。天平行列でも注目を集める華やかな礼服・朝服のほかに、国の機関で働いた人々のための服(一人一着を貸与)も採り上げられています。これがなかなかシンプルで素敵。“万葉人のポシェット”様のものも紹介されており、やっぱり欲しくなってきたり!また、あの複雑な髪型も何種類かアップで掲載されているのも注目です!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/13/393a8aa8aafb33afcfb4d688678251af.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/38/8070ffbe31d4217323a77abff846f46e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/de/e0cb4bf7588c5051bea6451e1b285c26.jpg)
同誌では3ページにわたり、山口千代子さんへのインタビューが掲載されている。一部をピックアップして紹介すると、
(天平衣装を作り始めたきっかけは)仏像が大好きで、奈良国立博物館で12年間、解説ボランティアをしていたのですが、毎年秋の正倉院展を見ているうちに、出陳される宝物の衣装や装身具にすっかり魅了されました。
(作り方は)正倉院に残っている服飾関係の宝物のほか、仏像や仏教絵画、中国(隋・唐)の古墳壁画、文献資料などを参考にして作っています。ただ、ディテールがよく分からないことも多く、そこは服飾家としての知識や技術、私なりのイマジネーションで補うようにしています。
(衣装再現のポイントは)やはり文様ですね。正倉院宝物に見られる「円花文(えんかもん 唐花文)」などを使って再現するようにしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/bc/d0516806a630e0226bfe9fa2dc5b384d.jpg)
赤地唐花文錦(あかじからはなもんのにしき 復元品)の文様。宮内庁のHPから拝借
(生地を探すのも大変では?)はい。だからたまに逸脱します(笑)。というのは、古着の着物と袋帯を使うのですが、特に紫色は、なかなかぴったりするものがないんですよ。
(天平行列を見るときのポイントは)奈良時代の風俗として見ていただければいいかなと思います。元明天皇の「平城遷都の詔」に参列するという設定なので、天皇たちが着ている衣装はすべて、重要な儀式の際に着用する「礼服」、その他の官人たちが着ているのは、朝廷に出仕する時の公服である「朝服」です。庶民の衣装はありません。
まばゆいばかりの天平衣装の数々が約40ページもの誌面を飾る。これはさながら、山口千代子さんの天平衣装の集大成、一大作品集である。ぜひ、本誌を手にとってご覧ください!
※11月24日追記 今回『ならめがね』に掲載された衣裳の展示会が、来年(2017年)1月の1ヵ月間、「南都明日香ふれあいセンター 犬養万葉記念館」で開催される。なお山口さんのホームページは、こちら(大阪材料株式会社・万葉衣装企画)である。
※トップ画像は、同誌のホームページから拝借
「ユルい・まったり・懐かしい」をコンセプトに、ココロほどける優しい奈良を紹介する季刊誌です。書名には、「奈良がよく見えるツール」という意味をこめました。奈良が持っている付加価値の中でも、特に都会生活者が希求する「ほっとする懐かしさ」や「古き良き和の心」にフォーカスし、辛口の地元スタッフが心底ホレこんだハイポテンシャルな観光ネタを、気配のある写真と、書き手の思いが詰まった文章で紹介します。
とてもきれいなビジュアルで奈良の素晴らしさを紹介する季刊誌で、発行人・編集人は松原雄一さん。その最新号(2016年秋号 1,000円)の第1特集は「Fashion of The TENPYO なんと華麗な天平ファッション」。リード文には、
艶やかな色彩、優美なフォルム、ハイセンスなコーデに、ため息がこぼれます。奈良時代の貴族たちが着ていた装束を、現代に再現した「天平衣装」。1300年近く前、遣唐使を通じて平城京にもたらされた唐の最新ファッションは、今見てもモダン。多くの女性の憧れです。
天平衣装といえば、「平城京天平祭」などの天平行列で初めて目にしたという方も多いはず。その衣装製作を手がけているのが、万葉衣装服飾家の山口千代子氏です。
正倉院宝物や仏教絵画など、現存する資料を手がかりとしながら、そこに服飾家ならではの洋裁スキルと、女性のやわらかな感性をプラスして製作される天平衣装は、実にエレガント。見れば見るほど、お洒落心がときめく天平ファッションを特集します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/ce/3e3b2b9a8d09918171bb359d4e303bc5.jpg)
以下の写真は「万葉ファッションショー」(9/2開催)、衣装製作は山口さん。県大芸術祭のHPから拝借
どんなスゴい衣装かということは、ぜひ本誌を手にとってご覧いただきたいのであるが、勤務先でページをめくっていると、ウチの女子たちが「きれい!」「鮮やか!」を連発していた。ブログ「藤原氏と古代史推進委員会」には、
奈良を紹介している季刊誌『ならめがね』。最新号はなんと、天平ファッション特集です!!平城京天平祭などで衣裳を手掛ける万葉衣装服飾家・山口千代子さんが解説をされており、また普段は行列などで遠くから・着用時・しか見られない衣裳を、衣裳のみページいっぱいに広げた状態の写真でじっくり見られます!
衣裳の各部の名称・解説や、官位・身分によって着用できる色について、小物類を採り上げた写真、衣裳制作裏話など、華やかな衣装が好きな人はもちろん、絵を描く人や服を作る人、歴史好きにも参考になるのではないでしょうか。
個人的には、「制服」が載っているのもよかったです。天平行列でも注目を集める華やかな礼服・朝服のほかに、国の機関で働いた人々のための服(一人一着を貸与)も採り上げられています。これがなかなかシンプルで素敵。“万葉人のポシェット”様のものも紹介されており、やっぱり欲しくなってきたり!また、あの複雑な髪型も何種類かアップで掲載されているのも注目です!
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同誌では3ページにわたり、山口千代子さんへのインタビューが掲載されている。一部をピックアップして紹介すると、
(天平衣装を作り始めたきっかけは)仏像が大好きで、奈良国立博物館で12年間、解説ボランティアをしていたのですが、毎年秋の正倉院展を見ているうちに、出陳される宝物の衣装や装身具にすっかり魅了されました。
(作り方は)正倉院に残っている服飾関係の宝物のほか、仏像や仏教絵画、中国(隋・唐)の古墳壁画、文献資料などを参考にして作っています。ただ、ディテールがよく分からないことも多く、そこは服飾家としての知識や技術、私なりのイマジネーションで補うようにしています。
(衣装再現のポイントは)やはり文様ですね。正倉院宝物に見られる「円花文(えんかもん 唐花文)」などを使って再現するようにしています。
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赤地唐花文錦(あかじからはなもんのにしき 復元品)の文様。宮内庁のHPから拝借
(生地を探すのも大変では?)はい。だからたまに逸脱します(笑)。というのは、古着の着物と袋帯を使うのですが、特に紫色は、なかなかぴったりするものがないんですよ。
(天平行列を見るときのポイントは)奈良時代の風俗として見ていただければいいかなと思います。元明天皇の「平城遷都の詔」に参列するという設定なので、天皇たちが着ている衣装はすべて、重要な儀式の際に着用する「礼服」、その他の官人たちが着ているのは、朝廷に出仕する時の公服である「朝服」です。庶民の衣装はありません。
まばゆいばかりの天平衣装の数々が約40ページもの誌面を飾る。これはさながら、山口千代子さんの天平衣装の集大成、一大作品集である。ぜひ、本誌を手にとってご覧ください!
※11月24日追記 今回『ならめがね』に掲載された衣裳の展示会が、来年(2017年)1月の1ヵ月間、「南都明日香ふれあいセンター 犬養万葉記念館」で開催される。なお山口さんのホームページは、こちら(大阪材料株式会社・万葉衣装企画)である。