tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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「ズバリ!飛鳥・藤原検定の要点整理(初級編・中級編対策)」完全版 2024(PDF)が完成!

2024年12月09日 | 飛鳥・藤原検定の要点整理
第2回「飛鳥・藤原まるごと博物館」検定の試験日(2024.12.14 実施)の直前になって、やっと全てのページ(表紙・裏表紙を含む)を1本のPDFデータとして、まとめていただきました(完全版のPDFデータは、こちら)。このデータは、奈良まほろばソムリエの会の公式ホームページの「トップページ」、および「リンク集」からも、アクセスしていただけます。

これも、奈良まほろばソムリエの会が誇るWebクリエイター・K女史のおかげです、ありがとうございました。表紙・裏表紙を含めると、98ページという超大作となりました。まあそれでも、約500ページという公式テキストの5分の1ですから、直前の総まとめには重宝すると思います。

検定試験は大学受験のような競争試験ではありません。「飛鳥・藤原まるごと博物館」検定は、マークシートの四択で、初級編は6割、中級編は7割正解すれば、どなたでも合格することができます。しかも初級編は70問のうち7問は「蘇我三代とその時代」のテーマで出題されますので、対策が立てやすいです(私の要点整理のP7~8をご参照ください)。

「要点整理」を使って勉強された方全員の合格を、祈念しています!

※追記(2024.12.11)
「要点整理」にミスプリがありまして、皆さんからご指摘をいただきました。試験直前のためPDFの差し替えが間に合いませんので、以下に書いておきます。

①P67「忍坂山(外鎌山)」1行目 鏡女王の陵墓→鏡女王の墓(「陵墓」ではありませんでした 公式テキストP187)
②P69「耳成池」3行目 耳成池みを投げた→耳成池に身を投げた
③P74「大友皇子伝」2行目 )をしていまして見て→見て
④P74「大友皇子伝と「臨終一絶」」1行目 正確は大らか→性格は大らか
⑤P84「中臣鎌足と蘇我入鹿」7行目 鎌足が太刀で鎌足に→鎌足が太刀で入鹿に
⑥P87「さまざまな伝説の地」4行目 武埴康彦→武埴安彦
⑦P92「古墳壁画の〜」6行目 1億2千万円甘利→1億2千万円余り
⑧「明日香村特別措置法」3行目 同村成美基金→同村整備基金
⑨P93「無住社寺などの維持」4行目 女性→助成


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伝統的酒造りが、ユネスコ無形文化遺産に登録! 陰の立役者は国菌「こうじ菌」

2024年12月09日 | 奈良にこだわる
「伝統的酒造り 日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されることになった、おめでとうございます!この話は、12月6~7日付の朝刊各紙で報道されたが、毎日新聞は「こうじ菌」について、詳しく紹介していた。
※トップ写真と下の写真は、奈良新聞(12/7付)の記事サイトから拝借



こうじ菌(ニホンコウジカビ)は、学名「アスペルギルス・オリゼ」。日本にしか存在しない菌(カビ)で、「国菌」に認定(2006年)されている。こうじ菌に関する毎日新聞記事の全文(12/6付)を抜粋すると、

こうじ菌 独自発展の「生物資源」 日本の酒醸造の黒衣 全国需要8社が担う
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に、日本の「伝統的酒造り」が登録されることが決まった。酒造りのカギを握るのは、「国菌」とも称されるカビの一種「こうじ菌」で、先人たちが発展させてきた。普段は意識されない独自性とともに、日本の酒が世界で普及した場合の海外流出の可能性も気になるところだ。歴史と今後について専門家に尋ねた。

酒造りを支える「種こうじ屋」
「菌は世界に10万種類くらいある。その中でたった一つのこうじ菌を日本人が選び出したのは、驚がくすべき事だ」。秋田県大仙市の「秋田今野商店」の今野宏社長は語る。


秋田今野商店の今野宏社長=本人提供。毎日新聞の記事サイトから拝借した

秋田今野商店は、こうじ菌の供給を専門とする「種こうじ屋」だ。こうじ菌が蒸したコメなどに繁殖すると「こうじ」となり、酵母菌のアルコール発酵に必要な糖分を提供する役割を果たす。種こうじ屋は醸造に適した菌を育み、用途に応じた菌を供給してきた。

 「全国種麴(こうじ)組合」の理事長も務める今野社長によると、種こうじ屋は、みそやしょうゆ向けのこうじ菌を扱う業者を入れても全国で十数社。酒造向けのこうじ菌を手掛けるとなると8社しかない。これで酒造会社約1600社の需要をまかなっているという。

少数で多数の顧客を抱えているからといって、安定産業というわけではない。室町時代創業の種こうじメーカー「糀屋三左衛門」(愛知県豊橋市)の村井裕一郎社長は「言うほどもうからない」と明かす。

例えば、200グラム数千円の種こうじ1袋で一升瓶(1・8リットル)数千本分の日本酒が製造できるため、大きな需要にならないからだ。菌の品質維持にコストがかかる一方、酒の消費も減り、種こうじ屋も姿を消す現状がある。

それだけに、無形文化遺産登録でこうじ菌に焦点が当たった意義は大きい。村井社長は「種こうじ屋は表には知られない黒衣の仕事だが、安定した酒造りを支えるインフラとしてやってきた。それが報われた思いだ」と歓迎する。こうじを用いた発酵の魅力の発信やその文化的価値を高める活動を通じてPRに力を入れるつもりだ。

こうじ菌は日本独自?


こうじ菌の入った瓶を手に取る独立行政法人「酒類総合研究所」の
織田健・主任研究員。写真は、毎日新聞の記事サイトから拝借


こうじを用いる酒は、温暖多湿でカビの生育に適したアジア諸国で造られている。日本以外では生の穀物を材料にクモノスカビなどが主に利用され、日本人は蒸したコメとこうじ菌の組み合わせで、酒造りを発展させてきた。

日本の酒造りが他国と違う発展をした背景の一つに、食文化の違いが考えられる。古来、日本では蒸したコメが主食で、中国大陸などではコメだけでなく生の粉から作る麺など粉食も盛んだからだ。一方、近年はこうじ菌が世界各地で発見されている。元々存在したのか、交通の発達で日本から伝わったのかは解明されていない。

独立行政法人「酒類総合研究所」(東広島市)の織田健・主任研究員は「こうじ菌のゲノム(遺伝子)の解析自体は進んでいる」と説明するが、ほぼ日本でしか研究されていないため、こうじ菌自体の独自性は現時点で不明だ。

しかし、織田主任研究員は「日本ではこうじ菌を使った産業が連綿と続けられてきたという他国にはない優位性がある」と指摘。歴史・文化上の観点から日本で独自に発展した菌であることは間違いないという。

海外流出懸念も
今回の登録をきっかけに日本の酒が広まる場合、懸念されるのがこうじ菌や関連技術の流出だ。植物ではブドウやイチゴの日本産品種が無断で海外に持ち出され普及した例がある。

秋田今野商店の今野社長は「培養は誰でもできるが、重要なのは安定した品質を保つ再現性だ。それを維持することは簡単ではない」と断言する。植物の種に比べ、微生物である菌は変異しやすい。品質を維持する技術や施設資金も必要なため、まねをするのは難しいという。

糀屋三左衛門の村井社長は「身も蓋(ふた)もない話をすると、中小企業が多いので買収した方が早い」と話す。ただ何らかの対応は必要と感じており「こうじ菌をどうするのか国家として戦略を立ててほしい」と注文する。

将来の事態に備えた下地が無いわけではない。酒類総合研究所では約300株保有するこうじ菌のうち100株以上のゲノムを解析し、データベース化を進めている。微生物には植物の種を保護する種苗法のような法はないが、織田主任研究員は「多くの国が締結している生物多様性条約では、自国の生物資源の主権的権利が認められている。菌のゲノムを明確にしておくことは重要だ」と話した。【植田憲尚】


いかがだろう。「こうじ菌」の有り難さをお分かりいただけただろうか。では、最後に無形遺産登録についての毎日新聞の記事(12/6付)の全文を紹介しておく。

「伝統的酒造り」無形遺産 業界活発化に期待
パラグアイで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は4日(日本時間5日)、「伝統的酒造り 日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術」を無形文化遺産に登録することを決めた。国内の無形文化遺産は23件になる。



酒米に種こうじを振りかける杜氏。写真は、毎日新聞の記事サイトから拝借

ユネスコの評価機関が11月、登録するよう勧告していた。日本の無形文化遺産登録は、2022年の「風流踊(ふりゅうおどり)」以来2年ぶり。日本の食文化関係では13年の「和食」以来の登録となる。

伝統的酒造りは、カビの一種である「こうじ菌」の力を借り、コメなどの原料を発酵させる技術。その技術で造られた酒は、祭事や婚礼など日本の文化上、不可欠な役割を果たしており、杜氏(とうじ)や蔵人らが、知識や技術を継承してきた点が評価された。

ワインや缶チューハイなど酒類の多様化や若者のアルコール離れで、日本酒や焼酎などは国内消費が減少し続けている。日本酒は23年の国内出荷量が約39万キロリットルで、ピーク(1973年)の4分の1以下になった。

技術を受け継いできた関係者らは、登録をきっかけにした業界活発化に向けて意気込み、今後の継承を見据えた課題を指摘する。国内の消費は減っているが、和食への関心の高まりなどから日本酒の海外輸出量は10年前の約4倍の400億円台に拡大している。

海外のソムリエを日本に招き、酒造りの現場を見てもらうなどしてきた日本酒造組合中央会の宇都宮仁理事は「日本酒でも世界での知名度はまだ高いとは言えず、焼酎や泡盛はほぼ知られていない。今後日本独特のこうじを使う酒としておいしさや文化をPRしていきたい」と話す。

日本酒造杜氏組合連合会の石川達也会長は「中小零細企業が多い個々の酒造会社の中だけで各世代の人材をそろえ、次の世代が安定的に入るサイクルを作ることは難しい。酒造会社間で人材を融通し合うシステムも考えていかないといけない」と訴えた。【植田憲尚】


毎日新聞(2024.12.6付)


奈良新聞(2024.12.7付)
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