tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

高市県(たけちのあがた)の首長の祖神を祭る「高市御県(みあがた)神社」(橿原市四条町)

2024年12月12日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週水曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2024.12.4)掲載されたのは〈天皇に野菜献上した地の神/高市御県(たけちのみあがた)神社(橿原市)〉、執筆されたのは同会会員で、橿原市にお住まいの亀田幸英さんだった。
※トップ写真は、高市御県神社鳥居と拝殿=橿原市四条町で

御県神社とは、天皇の食事に出す野菜を栽培する朝廷の直轄地のことである。県内には6つの御県があり、前回のこの欄では、志貴御県坐(しきのみあがたにます)神社を紹介した。

なお高市御県神社は、橿原市今井町の高木家が社人の筆頭として、奉仕して来られた。今井町の「高木家住宅」(国重文)は、内部が一般公開されている。では、以下に全文を紹介する。

天皇に野菜献上した地の神/高市御県神社(橿原市)
高市御県神社は歴史ある町並みの今井町を解説する資料館、今井まちなみ交流センター「華甍(はないらか)」の南隣に鎮座します。創建は明らかではありませんが、平安時代の「延喜式神名帳」には、名神大社に列せられ、古くは極めて有力な神社だったと思われます。

高市県については、「日本書紀」の672(天武天皇元)年7月条で壬申の乱の記事に登場する当地の「高市県主許梅(たけちのあがたぬしこめ)」の名が見えます。古代の大和国では、天皇に献上する野菜を栽培する直轄地を御県といい、「延喜式」にある祈年祭(としごいのまつり)の祝詞の中に「六つの御県」(高市、葛木、十市、志貴、山辺、曽布)の各郡の名前と、土地の霊を祭る御県神社の存在が記録されています。

祭神の天津彦根命(あまつひこねのみこと)は高市県主の祖と言われています。他方の祭神の高皇産霊命(たかみむすびのみこと)が祭られている事情は不明です。その後時代と共に神社は衰えますが、江戸時代以降当社は高木宮(こうきのみや)とも呼ばれ、今井町の有力な高木家が当社社人(しゃじん)の筆頭となり、高木一族が氏子として奉仕してきました。

近年では高木本家が中心になって祭礼を取り仕切っています。なお、国重文「高木家住宅」は19世紀初頭に本家から分家し内部は一般公開されています。(奈良まほろばソムリエの会会員 亀田幸英)

(住 所)橿原市四条町817
(祭 神)天津彦根命、高皇産霊命
(交 通)近鉄橿原線八木西口駅より南へ約10分
(拝 観)境内自由
(駐車場)なし
(電 話)0744-22-6551(株式会社タカギ)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本酒、海外展開へ! | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

やまとの神さま(毎日新聞)」カテゴリの最新記事