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田中利典師の連載「AtoZ」、初回はAyabe(京都府綾部市)!

2020年11月28日 | 田中利典師曰く
金峯山寺長臈(ちょうろう)で種智院大学客員教授の田中利典師は、昨日(2020.11.27)から、ご自身のFacebook上で「田中利典 A to Z」という連載をスタートされた。前期高齢者の65歳におなりの師が、AからZまでの頭文字をつけたエッセイを26本連載されるというので、これは楽しみだ。初回は綾部、2回目はご著書(Book)の話だった。以下、初回の文章を貼っておく。皆さんもぜひ師のFacebookを追いかけてください!
※トップ写真は利典師がご住職を務める林南院(綾部市渕垣町)、師のFBから拝借

「田中利典AtoZ」~70歳の田中利典に会いたい!
今年私は65歳になった。もう老年期に差しかかった。私の身近な人は知っていると思うが、吉野・金峯山寺の宗務総長という重職を45歳で受けて、10年過ぎた55歳の頃から、私の口癖は「70歳の田中利典に会いたい!」ということであった。それが目標でもあった。

で、そのときはまだ15年も先のことだと思っていたが、ふと気づくともうあと5年しかない。そうだ、あの頃の私は、70になる頃にはいっぱしの人間になれていると思っていたのだ…。しかし、それがじつに誠に怪しい話であることに気づいてしまった今日この頃である。

60歳で惜しまれながら(…誰もおしんでないかwww)吉野を降りて、ふるさと綾部に帰ってきて5年。ようやくこの10月に「半僧半X研究所」を自分の心の中に発足させて、少し70歳の田中利典に希望が持てるようになってきたのだが、残されたのはわずか5年しかない。

そこで、立派な?70歳を迎えるための一助として、自分の半生を顧み、未来への希望を拓くために、「田中利典のAtoZ(アルファベットのAからZの26文字)」を考えてみることにした。よろしければ今日からしばらくお付き合いをください。

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①「A」= 綾部 (Ayabe)
私は1955年に京都府下の片田舎の町・綾部市渕垣町の田中家の長男として自宅で生まれた。父40歳、母30歳の初子である。中学まで地元で育ち、15歳で得度受戒。僧侶見習いとして、高校から滋賀県大津市の延暦寺学園比叡山高校に進み、「山家寮」という天台宗徒弟専門の寄宿舎生活をはじめ、その後、龍谷大学・叡山学院・金峯山寺入寺と、還暦の60歳を迎えるまで、故郷綾部を離れることになった。だから綾部で暮らした時間より、他所で生きた時間の方がはるかに長いことになる。綾部のこともさほど詳しくは知らないのが本当のところなのだ。

綾部は山紫水明の地、出口なお・出口王仁三郎の大本教と、繊維メーカー・グンゼ発祥の町…くらいの知識しか無く、郷土愛もさほど持ち合わせていないかもしれない。ただひとつ言えることは、私にとって終の棲家の地であることは間違いがなく、古くは元禄年間という300余年前から位牌を祀る田中家の総領であり、実家を修験寺として父が開山した自坊林南院の跡取りである私にとっては無二の地が綾部なのである。

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