今年の猛暑には参った。例年、エアコンは寝付くときだけつけておいて夜中は切るのだが、それでは耐えられなくて夜中もつけた。最初はその加減(設定温度)が分からなくて、不覚にも夏風邪をひいてしまった。ラジオ収録の直前だったので、医者からもらったトローチをなめながらしゃべったが、声はあまり出ていなかっただろう。
台風は2度も来たし、今も台風の発生が懸念されている。というのも、いまだに海面水温が高いからで「熱帯から亜熱帯海域の暖かい海上(海面水温が26.5℃以上)で、台風は発生する」(気象研究所のHP)のだ。
私は2001年から2013年まで、勤務先で環境保全活動(クールビズなどオフィスにおけるエコ推進)を担当していた。そのとき多くの文献に当たったが地球温暖化が進んでいることは明白で、これを止めないことには様々な支障が生じることが、当時でも確実に予想されていた。
なお日本では「地球温暖化」(global warming)というが、海外では「climate change」(気候変動)という、つまりは地球温暖化により異常気象が頻発するということで、最近は「気象凶暴化」とか「気候劇症化」ともいわれる。米国のトランプ大統領は、いまだに温暖化を否定しているが結局、異常気象が頻発した。それは甚大な被害をもたらし、観光産業にも大打撃となった。
これらを総括してくれる有識者はいないかな、と待っていたところ、10/6付の「週刊観光経済新聞」にズバリの記事が出ていて、溜飲を下げた。石森秀三氏(国立民族学博物館名誉教授、北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授)による「気候変動と観光産業」(私の視点 観光羅針盤 164)という評論だ。長くなるが、全文を紹介しておく。
日本では今年7月に埼玉県熊谷市で41.1度が記録され、最高気温の日本記録が更新された。同じく7月に発生した西日本豪雨では11府県で記録的な集中豪雨が発生し、各地で甚大な被害が生み出された。9月に到来した台風21号は、関西の空の拠点である関西国際空港を襲って滑走路を水浸しにするとともに、数多くの乗客を空港内に隔離状態にし、暴風雨で制御不能になったタンカーが空港への連絡橋に激突して通行不能状態を生み出した。
世界気象機関(WMO)は、日本を襲った記録的豪雨と猛暑などの一連の異常気象が温暖化に伴う気候変動の影響によってより極端になった可能性に言及している。さらに気候変動の加速によって強烈な異常気象が発生する頻度はさらに増えると指摘している。まさに「気象凶暴化」や「気候劇症化」が現実化しつつあるといえる。
ところが、米国のトランプ大統領は「地球温暖化はでっちあげだ」と言って、昨年6月に地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を宣言した。パリ協定は2015年12月に米国を含む195カ国が合意した国際協定で、オバマ前政権は25年までに温室効果ガスの排出量を05年比26~28%削減を目標にしていた。米国は温室効果ガス排出量が中国に次いで世界第2位で、世界の排出量の15%を占めており、パリ協定離脱の影響は大きい。
米国ではトランプ政権がパリ協定からの離脱を決めたことに反発して、いわゆる「非国家セクター」である州政府や都市、企業、大学、NGOなどが温暖化対策を続けていくと宣言し、9月中旬にサンフランシスコでGCAS(グローバル気候行動サミット)を開催した。そのサミットを主催したカリフォルニア州のブラウン知事は、州独自で温室効果ガス排出を監視する衛星を打ち上げる計画を公表して、トランプ政権に代わって州が温暖化対策をリードしていく決意を表明している。
日本でもすでにパリ協定実現を目指す企業や金融機関、自治体、NGOなどが参加してJCI(気候変動イニシアティブ)を設立しており、GCASにも参加している。日本を含めて世界各地ですでに「RISE FOR CLIMATE!」(気候変動防止のために立ち上がろう!)というアクションイベントが繰り返し開催されている。また化石燃料や原発関連企業との取引のない「地球にやさしい銀行」を応援するための市民主導イベントも開催されている。
市民が立ち上がることで「100%再生可能エネルギー社会」への移行を図ろうとしているわけだ。観光産業は異常気象の影響を最も受けやすいために当然のことながら、JCIに率先して参加し、重要な役割を果たすべきだ。(北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授)
テレビをつけるといまだに「地球温暖化はでっちあげだ」を堂々と唱える論者がいることには全く驚かされる。「エコ」はエコロジー(生態系)のことで、エコロジーとは「風が吹けば桶屋が儲かる」、つまり生物と環境とは緊密な相互関係がある、ということである。温暖化を軽んじたがために異常気象が発生していることは、もっと知られて良い。
台風は2度も来たし、今も台風の発生が懸念されている。というのも、いまだに海面水温が高いからで「熱帯から亜熱帯海域の暖かい海上(海面水温が26.5℃以上)で、台風は発生する」(気象研究所のHP)のだ。
私は2001年から2013年まで、勤務先で環境保全活動(クールビズなどオフィスにおけるエコ推進)を担当していた。そのとき多くの文献に当たったが地球温暖化が進んでいることは明白で、これを止めないことには様々な支障が生じることが、当時でも確実に予想されていた。
なお日本では「地球温暖化」(global warming)というが、海外では「climate change」(気候変動)という、つまりは地球温暖化により異常気象が頻発するということで、最近は「気象凶暴化」とか「気候劇症化」ともいわれる。米国のトランプ大統領は、いまだに温暖化を否定しているが結局、異常気象が頻発した。それは甚大な被害をもたらし、観光産業にも大打撃となった。
これらを総括してくれる有識者はいないかな、と待っていたところ、10/6付の「週刊観光経済新聞」にズバリの記事が出ていて、溜飲を下げた。石森秀三氏(国立民族学博物館名誉教授、北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授)による「気候変動と観光産業」(私の視点 観光羅針盤 164)という評論だ。長くなるが、全文を紹介しておく。
日本では今年7月に埼玉県熊谷市で41.1度が記録され、最高気温の日本記録が更新された。同じく7月に発生した西日本豪雨では11府県で記録的な集中豪雨が発生し、各地で甚大な被害が生み出された。9月に到来した台風21号は、関西の空の拠点である関西国際空港を襲って滑走路を水浸しにするとともに、数多くの乗客を空港内に隔離状態にし、暴風雨で制御不能になったタンカーが空港への連絡橋に激突して通行不能状態を生み出した。
世界気象機関(WMO)は、日本を襲った記録的豪雨と猛暑などの一連の異常気象が温暖化に伴う気候変動の影響によってより極端になった可能性に言及している。さらに気候変動の加速によって強烈な異常気象が発生する頻度はさらに増えると指摘している。まさに「気象凶暴化」や「気候劇症化」が現実化しつつあるといえる。
ところが、米国のトランプ大統領は「地球温暖化はでっちあげだ」と言って、昨年6月に地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を宣言した。パリ協定は2015年12月に米国を含む195カ国が合意した国際協定で、オバマ前政権は25年までに温室効果ガスの排出量を05年比26~28%削減を目標にしていた。米国は温室効果ガス排出量が中国に次いで世界第2位で、世界の排出量の15%を占めており、パリ協定離脱の影響は大きい。
米国ではトランプ政権がパリ協定からの離脱を決めたことに反発して、いわゆる「非国家セクター」である州政府や都市、企業、大学、NGOなどが温暖化対策を続けていくと宣言し、9月中旬にサンフランシスコでGCAS(グローバル気候行動サミット)を開催した。そのサミットを主催したカリフォルニア州のブラウン知事は、州独自で温室効果ガス排出を監視する衛星を打ち上げる計画を公表して、トランプ政権に代わって州が温暖化対策をリードしていく決意を表明している。
日本でもすでにパリ協定実現を目指す企業や金融機関、自治体、NGOなどが参加してJCI(気候変動イニシアティブ)を設立しており、GCASにも参加している。日本を含めて世界各地ですでに「RISE FOR CLIMATE!」(気候変動防止のために立ち上がろう!)というアクションイベントが繰り返し開催されている。また化石燃料や原発関連企業との取引のない「地球にやさしい銀行」を応援するための市民主導イベントも開催されている。
市民が立ち上がることで「100%再生可能エネルギー社会」への移行を図ろうとしているわけだ。観光産業は異常気象の影響を最も受けやすいために当然のことながら、JCIに率先して参加し、重要な役割を果たすべきだ。(北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授)
テレビをつけるといまだに「地球温暖化はでっちあげだ」を堂々と唱える論者がいることには全く驚かされる。「エコ」はエコロジー(生態系)のことで、エコロジーとは「風が吹けば桶屋が儲かる」、つまり生物と環境とは緊密な相互関係がある、ということである。温暖化を軽んじたがために異常気象が発生していることは、もっと知られて良い。
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