エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

懐かしい いわき

2006-04-08 | エッセイ
 《スケッチは20年前の平潟港(丁度ブログの写真と同じ)》

今日ブログで「平潟を歩く」を読んだ。
 若かったあの頃が懐かしく思い出された。
子どもたちが多感な中学、高校生の頃、単身赴任でいわきの勿来町に住んだことがあった。
 会津まで約150キロの道のりを土曜日に帰り、月曜日に出勤の4年間だった。
 暇なときはよく一人寂しく海を眺めたり、スケッチしたりしていた。
 なかでも平潟へはよく行った。活気ある漁港の雰囲気が好きだった。
 近くの五浦の天心記念美術館にも何度も行った。
久しぶりにいわきを思い出した。思えばもう20年も前のことである。
       単身の ながめし海の 波残る

    「ブログ 『いわき日和』 http://blog.livedoor.jp/aryu1225/ 」


《いつか書いたエッセイ
天心に学ぶ東洋の価値観
 梅雨の最中に茨城県天心記念五浦美術館を訪ねた。高台に建つ美術館に海からの爽やかな風は心地よく、清楚な白い花をつけたシャリンバイが雨に濡れ一段と緑が美しく感じられた。
 当時、一つの画風「朦朧体」と呼ばれ非難を浴びたという大観や春草の日本画を鑑賞した。天心は弟子の彼等に「風を描け」「音を描け」と言ったというが、見えないものを表す精神には同感するものがあった。
 館内で「岡倉天心の五浦時代(晩年の天心)」を視聴した。創立間もない日本美術院の経営に悩み、失意の中のインド旅行は彼の運命を変えた。彼はインドの民衆の姿を見て、西洋近代の弊害に対比し、それを克服する東洋の精神文明の価値観を思った。それは、丁度有り余るものに恵まれた物質文明に疑問を感じ、心の豊かな生活を求める我々の気持ちと似ていると思った。はからずも、今アジアの指導者が百年前の天心の主張を唱えている。

http://business2.plala.or.jp/kitaiba/culture/culture2.htm