エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

春の喜び

2006-04-09 | 日々の生活
 春の喜びを語りたい。
ようやく雪の消えた庭に出て、新しい生命を見つめた。
 鮮やかな黄色のフクジュソウと淡い紫色のユキワリソウが春の陽に力強く咲いている。群生するスイセンのつぼみも膨らみ黄色に色づき始め、クロッカスが白、黄、紫の長い花筒をもたげている。ジンチョウゲのつぼみも先端が紅く色づき、バラやモミジ、カイドウが真紅の新芽を伸ばし始めた。また、アジサイの枯れた風車の脇には、対になった芽が大きくたくましいかった。そして、厳しい冬を雪の下で眠り続けた暗紅色のロゼット、その白い緑の若芽がみずみずしく見えた。
 すべてが一斉に芽吹き、春の色がそれぞれに美しく感じられた。
  一斉に 芽吹くときめき 春の色
 庭からはるかに磐梯を望む。春まだ浅きふるさとの黒い大地に、黄緑に輝くフキノトウが映える情景が目に浮かんだ。そして、清らかな雪解けのせせらぎが聞こえてくるようだった。この春のときめきは目を閉じて回想する青春のときめきのような気がした。