エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

半世紀ぶりに恩師と再会

2006-04-18 | エッセイ
           《池の掃除 昭和30年(1955)》

 最近、小学校の恩師を訪ねた。もうあれから五十年の月日が流れてしまった。長い間の御無沙汰を詫び、心から尊敬する先生にお会いしたかった。
 先生は、当時クラスの様子をこまめに写真に撮って下さった。父がそれらを丁寧にアルバムに残してくれた。何十年ぶりかでながめた色あせた写真をスキャナーで取り込み、数葉のコピーを作り持参した。
 不思議だった。半世紀を経て、頭の中の引き出しにしまわれ忘れていた級友の名前が次々と出てきた。そこには清らかな、精一杯の生活を送った純真な少年の日々があった。セピア色の写真から在りし日々の本当に生き生きした充実したときがたぐり寄せられ、昨日のように次々とよみがえってきた。
 クラス全員で池を掃除したり、野球やバトミントンを楽しんだかすかな思い出をたどりながら、私の人生の基礎を培ってくださった、今は年老いた恩師に心の中で感謝した。