エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

梅雨空のトンボ池

2007-07-04 | 昆虫
【ギンヤンマの抜け殻】

 午前中は時々降る雨の中、庭の草むしりをした。
 敷き詰めた陶板の隙間から背の低い草たちが生えている。庭木の際の通り道には、自然にこぼれた種から出た藍が今年もきれいだ。踏まないところはもう20cmくらいに伸びている。梅雨の雨に草木はどれも生き生きしている。
 雨が上がると、アジサイの普通花に花アブが数匹訪れ、スジグロシロチョウが弱々しく飛んでいた。

 夕方3時過ぎに、孫とばあちゃんを連れてトンボの池に行った。まだ普通は明るいはずなのに、梅雨の曇り空、もう薄暗くなっていた。陽の光がないと、こうも静かなものか。チョウもトンボもほとんど飛んでいなかった。
 池の端の石に止まったショウジョウトンボをじっくり撮った。花を、虫をファインダーでのぞくひとときは何もかもを忘れさせ、実に楽しい。
 どうも小さな対象にピントを合わせにくい。デジカメなので何枚も惜しげもなくシャッターを切るが、家で確認するといつもピントが甘いものが多い。
今日はショウジョウトンボの真紅、ハバヒロトンボの顔の金属青色が美しく印象に残った。


ショウジョウトンボ


ハラビロトンボ

 池には小さなスイレンが咲き出していた。緑色に敷き詰められた葉の間から所々は顔を出している小さなスイレンがきれいだった。モネの作品を思った。
 スイレンの葉の陰にギンヤンマのヤゴの抜け殻を見つけた。夕方の池の周囲はひんやりと深閑とした空間だった。やはりトンボには夏の暑い日が似合うと思った。



 薄暗い空間にヤマボウシの真っ白な花が浮き上がっていた。10日ほど前に来た時、木の周囲を真っ白に敷き詰めていたエゴノキの花はもう散って、小さな実を付けていた。足下のサツキ(大盃)の花もほとんど終わった。
 芝生で遊ぶ孫たちを望遠でねらった。いつもの光景だ。静寂に幼い孫たちの歓声が響いた。                  (2007.7.3)