エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

夏祭りの朝

2007-07-21 | 日々の生活

 書斎のカーテンを開けると網戸にウスバカゲロウがとまっていた。
懐かしい原始の香りを持った虫が、昨晩明かりを求めてきたのだ。おそらくとなりの神社で育ったものだろう。神社の軒先にはアリジゴクがたくさんいて、子どもが小さい頃よく観察に通ったものだ。
 しばらくして、スローモーションのように緑の中に飛んだ。時が止まったかのような飛翔に、4枚の羽の動きがよく見えた。


そう言えば、今日は八幡様の夏祭りだ。昔のようではないが、お店も何軒かは出るだろう、子どもごころに、そんな記憶も欲しいような気がする。午後にでも、孫を連れてお参りがてらに出かけてみようと思う。
 また、夏休みに入った幼稚園でも、今晩は納涼大会がある。いつも浴衣を着て盆踊りもあるが、例年に比べて涼しい梅雨で、もうそんな時期かと、あらためて時の流れの速さを思った。

 庭を一巡りした。昨夕、膨らんだキキョウのつぼみはまだ白かったが、半日足らずで、もうきれいに咲いた紫色の花が梅雨の雨に濡れていた。しとしと降る雨の中、アキアカネも濡れるにまかせてじっと止まっていた。