エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

真夏のトンボ池

2007-08-01 | 昆虫
            【クロイトトンボ:成熟した♂】

 昼前のニュースで、関東甲信地方の梅雨明けが報じられた。
会津も今朝から快晴、久々にぎらぎら夏の太陽が照りつけ、今日の最高気温は32℃の予報だ。

 午前11時から12時半にかけて、トンボ池を見に行ってきた。いつものコースは家から約10㎞、途中高原の小さな湿原を覗く。ヌマトラノオ、ミソハギの間からぽつりぽつりとオニユリが顔を出していた。蝶はミドリヒョウモン、ツバメシジミ、モンキチョウ、キタテハ、キアゲハくらいか、種類も数も少ない。

林道はオニヤンマがスイスイ飛んでいる。途中の峠道、気づくと沿道の草がきれいに苅られていた。いつもそこを通るとオオルリシジミを思い出す、わずかばかり生えていたクララもすっかり切られてしまった。もう絶滅して半世紀は経つのだろう。食草のクララだけが所々に見られ、切ない思いだ。

 池も真夏の正午、トンボも少なかった。スイレンにはクロイトトンボやオオイトトンボがあそび、池の畔をキイトトンボが独特のリズムを取りながらスイスイ飛んでいた。なかなか止まってくれない。池の上をギンヤンマが気忙しく雄壮に飛び回り、近づくショウジョウトンボを追いかけたりしていた。

 池畔の林では、普通朝晩に鳴くヒグラシが真っ昼間に合唱である。近くのエゴノキでニイニイゼミが手の届くところで鳴いていた。



 しばらく日陰で吹きくる爽やかな風に打たれた。遙かに夏の磐梯が雄大に見えた。明らかに8月を感じた。