エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

秋立つ庭

2007-08-24 | 日々の生活

              【愛嬌あるマユタテアカネ】

 暦の上では立秋は8月初めだが、残暑が厳しく、半年が経ってようやく小さな秋を感じ始めた。
 穂を出し始めた尾花が夕日に輝き、萩の花がほころび風に揺れている。
 木陰にはいるとマユタテアカネが舞い立ち、赤と白を散りばめて風に揺れるミズヒキの細い花茎に止まった。まだ、行く夏を惜しむかのようにセミが激しく鳴いている。

白い実がいつしか紅から紫色に熟し、食べ頃のブルーベリーを孫たちと摘み取った。


『古今集』に「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にもおどろかねつる」と言う句があるが、いま目の前にさやかな秋が見えてきた。
 見上げると、高い空に美しい綿雲が浮かんでいた。いつかこんな日があったように思えた。季節が巡り行く夏から秋の庭の自然を楽しんでいる。