エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

美しい黎明・磐梯

2007-08-13 | 日々の生活
               【嗚呼 黎明の空の色 :自室の窓から】

朝4時半、今朝も黎明の磐梯が美しい。ヒグラシの合唱が治まり、東山から日が昇るまでの青く、黒い磐梯は言い表せないくらい美しい。
 「枕草子」の冒頭には「春は曙。やうやうしろくなり行やまぎはすこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる」とある。夏の曙にも同じ情景が見られた。

 数十分で昇り始めた輝く太陽は明るく強い。朝早くからミンミンゼミが鳴き出し、いっそう今日の暑さを予見させた。でも、朝方のすだれ越しに吹きくる風はひんやりして、すがすがしかった。

 日々変化する自然の移ろいだが、毎年巡る季節に変わりはない。暑い夏から秋へ、そしてやがて雪の季節を迎え春を待つ。年々歳々花相似たり、でも歳々年々人は老いる。
 穏やかな日々を願いつつも、また1年が経ち何となく疲れるのは老いたせいなのだろうか。

 芭蕉は「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。」と言う。今日を生き、新しい日を迎える。ただ、この繰り返しの旅は永遠ではない。健康に留意し、毎日出会う自然に感動をもらい、小さな自然との対話を大切にしながら楽しい旅を続けたいと思う。