■バス釣り■
その昔、今から15~6年くらい前の一時期、ボクはブラックバス釣りに凝っていた時期があった。
「やり出したらとことんまで」のボクは、ロッド&リールはもちろんのこと、当然?のように小型船舶操縦士免許を取得し、アルミ製の長さ12フィート(約3.6m)の小型ボートと10馬力エンジン、魚群探知機諸々を用意して、当時は琵琶湖や奈良県の池原ダム等でよく竿を出していた。
表題の「怖い目」とは、そのバス釣りの最中であり、好きなポイントだった琵琶湖の湖東、近江八幡にある伊崎不動で起こった出来事だった…。
■釣り人生で1、2を争う「怖い目」■
当時、この近江八幡の堀切港から伊崎不動と呼ばれる琵琶湖に突き出た半島に掛けてのポイントは、春の産卵期に大型が釣れることで知られている存在だった。事実ボクは、当時としては大型の56cmのブラックバスをここで釣っていたので、毎年春の産卵シーズンは、浅場へと上がってくる大型を狙って、近くの浜からボートを降ろして攻めに行くことが多かった。
しかし、好調だった何年かを過ぎると、突然魚が減って、なかなか釣れないポイントへと変貌していった。その原因は今から考えると、川鵜の仕業だったものと思われる。川鵜を始めとする海鵜など奴らの仲間の姿を見たことがあるだろうか?。何しろ奴らは水の嫌いなカラス、水面の浮遊物しか食えないカモメなどとは違って泳ぎがウマく、一度水中に潜ると数十mは出てこないほど息がもつ。この川鵜が伊崎不動周辺に異常繁殖し始め、そこら中の魚を喰いあさっていたのだ。何しろその数はものすごい勢いで増えているようで、周囲の山は大量に排出される糞による作用で”禿げ山”と化すほどだったのだ。
何年前だか正確ではないが、ある年の春、ボクは釣れにくくなったことを承知の上、この伊崎不動の付近で「一発でもイイから大きいのを!」と朝から気合いを入れた釣行をしていたのだが、予想通りと言うべきか、朝から釣れない静かな状況が続いていた。
そのうち、岬の付け根にある堀切付近でボートの動きが慌ただしくなってきた。 最初のうちは、「ライバル出現か?」と、思っていたが、そのうちに「パーンッ! パーンッ!」と銃声が聞こえ始めた。
「川鵜の駆除を始めたのかな?」と思いつつ、ボクは気にせずそのまま釣りを続けていたが、しばらく経つと銃声が鳴った後に、ポトポトと水面を叩くような音がするようになった。よく見ると、何かが雨のように周囲に散らばって落ちてくる様子だ。しばらく考えた後に合点がいった。何とそれは散弾銃の弾が水面を叩く音だったのだ。
ボクの心にはだんだんと恐怖心が沸いてきたのだが、それでもどこかに「まさか」という思いもあった。しかし、それまでの「ポトポト」という音が「カラン カラン」というボートのデッキに落ちる音に変わった次の瞬間に、恐怖は体に震えがくるほどに変わった。それと同時に痛くはないのだが、ボクの体に当たり始めたのだ。
こうなれば完全に釣りどころではない。慌てて退散の準備を始めたボクは「這々の体(ほうほうのてい)」でその場から逃げ帰るのであった。
まさか、ボクが熊に見えて銃口をこちらに向けていたのではなく、上空方向に向けて撃った散弾が、放物線を描いて落ちてきたようだが、「もしも」を考えると、あまりの恐怖にそこから遠ざかった沖合で、しばらくガタガタと震えていたのであった。
幸いにもボクは、幽霊やお化けの類を信じないタイプなので、夜釣りで「お化けを見た」という体験などは全く無く、他人からそんな話を聞いても怖くもないが、日頃から「人間のすることの方がよっぽど怖い」と思っているだけに、それを確信するには十分な釣行だった。
その昔、今から15~6年くらい前の一時期、ボクはブラックバス釣りに凝っていた時期があった。
「やり出したらとことんまで」のボクは、ロッド&リールはもちろんのこと、当然?のように小型船舶操縦士免許を取得し、アルミ製の長さ12フィート(約3.6m)の小型ボートと10馬力エンジン、魚群探知機諸々を用意して、当時は琵琶湖や奈良県の池原ダム等でよく竿を出していた。
表題の「怖い目」とは、そのバス釣りの最中であり、好きなポイントだった琵琶湖の湖東、近江八幡にある伊崎不動で起こった出来事だった…。
■釣り人生で1、2を争う「怖い目」■
当時、この近江八幡の堀切港から伊崎不動と呼ばれる琵琶湖に突き出た半島に掛けてのポイントは、春の産卵期に大型が釣れることで知られている存在だった。事実ボクは、当時としては大型の56cmのブラックバスをここで釣っていたので、毎年春の産卵シーズンは、浅場へと上がってくる大型を狙って、近くの浜からボートを降ろして攻めに行くことが多かった。
しかし、好調だった何年かを過ぎると、突然魚が減って、なかなか釣れないポイントへと変貌していった。その原因は今から考えると、川鵜の仕業だったものと思われる。川鵜を始めとする海鵜など奴らの仲間の姿を見たことがあるだろうか?。何しろ奴らは水の嫌いなカラス、水面の浮遊物しか食えないカモメなどとは違って泳ぎがウマく、一度水中に潜ると数十mは出てこないほど息がもつ。この川鵜が伊崎不動周辺に異常繁殖し始め、そこら中の魚を喰いあさっていたのだ。何しろその数はものすごい勢いで増えているようで、周囲の山は大量に排出される糞による作用で”禿げ山”と化すほどだったのだ。
何年前だか正確ではないが、ある年の春、ボクは釣れにくくなったことを承知の上、この伊崎不動の付近で「一発でもイイから大きいのを!」と朝から気合いを入れた釣行をしていたのだが、予想通りと言うべきか、朝から釣れない静かな状況が続いていた。
そのうち、岬の付け根にある堀切付近でボートの動きが慌ただしくなってきた。 最初のうちは、「ライバル出現か?」と、思っていたが、そのうちに「パーンッ! パーンッ!」と銃声が聞こえ始めた。
「川鵜の駆除を始めたのかな?」と思いつつ、ボクは気にせずそのまま釣りを続けていたが、しばらく経つと銃声が鳴った後に、ポトポトと水面を叩くような音がするようになった。よく見ると、何かが雨のように周囲に散らばって落ちてくる様子だ。しばらく考えた後に合点がいった。何とそれは散弾銃の弾が水面を叩く音だったのだ。
ボクの心にはだんだんと恐怖心が沸いてきたのだが、それでもどこかに「まさか」という思いもあった。しかし、それまでの「ポトポト」という音が「カラン カラン」というボートのデッキに落ちる音に変わった次の瞬間に、恐怖は体に震えがくるほどに変わった。それと同時に痛くはないのだが、ボクの体に当たり始めたのだ。
こうなれば完全に釣りどころではない。慌てて退散の準備を始めたボクは「這々の体(ほうほうのてい)」でその場から逃げ帰るのであった。
まさか、ボクが熊に見えて銃口をこちらに向けていたのではなく、上空方向に向けて撃った散弾が、放物線を描いて落ちてきたようだが、「もしも」を考えると、あまりの恐怖にそこから遠ざかった沖合で、しばらくガタガタと震えていたのであった。
幸いにもボクは、幽霊やお化けの類を信じないタイプなので、夜釣りで「お化けを見た」という体験などは全く無く、他人からそんな話を聞いても怖くもないが、日頃から「人間のすることの方がよっぽど怖い」と思っているだけに、それを確信するには十分な釣行だった。
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