中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’21版 バラシを科学する ~目前でサヨナラの話

2021-06-05 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 白石グリへの釣行でお世話になっている、日本海41さんの、先ごろの釣果欄に「バラシ連発」の記載があった。せっかく大マサを掛けても目の前でサヨナラされる悔しさはボクも以前には何度も経験したが、対策を施した結果、ここ近年では極端に減っている。
 今回から、その対策法を号してゆくが、タイトルは、ボクが以前お世話になっていた釣り雑誌の磯釣りスペシャルの初期の企画からいただいた。同様の内容で以前にも書いたが、そのリニューアル版として読んでいただきたい。


■ハリ外れ■

 大型のヒラマサに直接聞いたわけではないので、想像するに船際のサヨナラの原因として、どうしても避けられないのがハリ外れだ。これが起こる原因として挙げられるのは「アワセ不足」と、それによる「掛かりどころの悪さ」の2点が主な原因だ。
 「アワセ不足」はアタリがあった瞬間に竿を竿受けのトリガーに指を掛けて外しながら「クラッチ・オン」→「電動リールをフルスロットルにする」→「ラインが張って魚の重みが乗った瞬間に一~二発、大アワセを入れる」→「竿を立てて巻き取る」の、一連の動作を覚えれば、かなり防げる。
 だが、船上では、アタリがあった後に「クラッチ・オン」→「竿を竿受けから外す」→「アワセを入れる(中には入れていない人も…)」→「竿があまり立っていない状態で電動リールを8割程度のスロットルにして巻き取る」という動作の人が多い事に気付かされるが、これではアワセた際の力が糸フケや道糸の伸びに吸収されて魚に伝わらない。
 しかし、ちゃんとアワセていても「掛かりどころの悪さ」に関しては、運次第のところもあって、口内の薄い部分に掛かってしまい、やり取りの末にその穴が広がった場合はどうしようもないが、軸の細いハリを使うと口切れによるハリ外れの率が高まる事を覚えておいて欲しい。

■チモト切れ■

 もう一つのサヨナラの原因に、「ハリのチモト周りの不備」が挙げられるが、これは切られた部分を確認すると解る。そこがザラザラとささくれていたなら根ズレとなり、原因は明確だが、「豚のしっぽ」のようになっていればハリの結び目がミミの部分までズリ上がって抜けた事が原因になり、スパッと切れていれば、やり取りの最中に結び目のチモト部分がハリの裏側に回ってミミの反った側に触れて切れた事が原因となる。
 これまで、「結び目が回らない」、「ズレない」と謳われたハリは何種類も発売され、ボク自身がそれを何度も試したが、「効果は多少あるものの、100%回らず、ズレないミミ付きバリは存在しない」との結論に至っている。従って今では「物理的に、絶対ハリ裏に回らない」カン付きバリを愛用している。
 お気に入りはオーナー社のメジ・カツオで、ハリス10号以下は13号、ハリス12号では14号を使用している。

●愛用のメジ・カツオ●

 このハリのカラーは「ケイムラ」、「ゴールド」、「シルバー」の3種類が販売されているが、「喰いはどれも同じ」、「錆に強い」、「一番安い(入数が1本多い)」という3つの理由から、最近では専らシルバーを使用している。
 このハリの最大のメリットは、カンの部分がロウ付けされているので、軸の継ぎ目にハリスが当たって切れるリスクが無い点だ。軸は太過ぎず細過ぎず、強度はボクの使用範囲内では十分であり、ハリ外れを起こし易いと感じた事もない。

 カン付きバリをオススメすると「サルカンと同じ結び方をするのか?」と思うかも知れないが、それでは頼りないので、クレハのH.P.内にある、中村式カン付き南方延縄結び
https://www.seaguar.ne.jp/knot/harris/harris_7.html
で結ぶ事にしている。
 但し、注意点があって、H.P.内では動画と図の両方で説明されているが、図の方は「Step4」のところが明らかに間違っているので、参照すべきは動画の方になる。
 ここから更に、ボクの場合は8号なら0.5mm、10~12号は0.6mmのウレタンチューブを入れてカンの前でチモト部分をまたぐ部分を強化している。

●0.5mmのウレタンチューブ●

●ウレタンチューブでの強化●


■市販仕掛は…?■

 ボクは、今から45年ほど前の小学校高学年時代から自作するのを基本としているし、釣場での使用や展開を想像しながらの仕掛作りは、全く苦ではない。しかも、低コストかつ高強度になるので、自作のメリットは一石二鳥どころではない。
 対して一般的に広く使用されている市販仕掛は、各メーカーさんで基準を設けて品質を高めてはいるだろうが、採用されているハリスは中級ランク以下、ハリは伊勢尼の12~13号クラスが殆どで自由に選べない。そして何より残念なのが、釣りに対して熱意のある人間が作っているとは限らない点だ。今は随分と機械化しているだろうが、その昔はパートのオバチャンが作っている事も多かったように記憶しているし、一部には海外製もあるのかも知れない。
 そうして作られた仕掛であっても、確実なハリ結び等が出来ない事情のある方、特に初心者には充分にオススメ出来る。だが、ある程度経験を積んで結びの知識がある釣り人なら、ハリの種類が殆ど選べなくて上段で記した「チモト切れ」と「口切れ」の発生リスクがあるため、自作する事をオススメする。
 但し、「ハリは結べても、枝バリ部分が…。」と言う方がいるのかも知れない。そんな方には手前味噌だが、ボクのブログ内の2016年7月16日号
https://blog.goo.ne.jp/tsurigadaisuki/e/db6b133a70a8342a9cbc45b655a4bcaa
で「三方編み込み」を解説しているから参考にして欲しい。
 ヒラマサが掛かる確率が、一番高いのが先バリになるが、編み込みにするとサルカンからその先バリまでに結び目が無いので、枝バリを出す方法では最強になる。「面倒臭い」等の理由で間違ってもビーズや8の字結び他の方法を使って“結んで”はならない。ビーズは壊れるし、結んでしまえばそこから先が枝バリ程度の強度しか無くなるからだ。
 それでも、「どうしても面倒だ。」と言う人には、市販仕掛をセット後、ハリだけでもカン付きに交換するのが得策と思うが、中村式結びが面倒なら、なるべく強度のある方法で、外掛け結びしか出来ないなら、せめて「ズレにくい・回りにくい」を謳った「ヒラマサ用のミミ付きバリ」に交換する事をオススメする。


 以上、ヒラマサ釣りの現場では、勿体ないバラシが連発しているようなので、緊急的に書いてみた。「仕掛は魚との大事な接点」だ。「それを他人任せにしていると、その勿体ないグループ入りするよ。」という事をお伝えしておきたい。
 また、今回はアワセとハリ選びを中心に話を展開させたが、現場では船際の竿さばきのミスによるバラシもよく見かける。それについては次回以降で記す事にしている。

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